明らかに通り魔でしょうが!

 

※少し時系列がずれてますが気にしないで頂きたい。




イェーイ!ようやく陸!
見渡せど辺り一面、大海原の状態から陸地へ到着!
何か分かんないけど異様にテンション上がったー!!


「おぃ、お前は買い出しだよぃ」
「はいはい」
「ちゃんと買い出しのメモを受けとれよぃ!」
「まずベースでしょー?クレンジングでしょー?
あっ、そろそろマスカラも死にそうじゃない?
ていう事は下地もヤバくない?」
「話を聞け」


さっきからマルコが何か言ってるけど、まぁ聞いてないよね。
ようやくの買い物ですよ!あっ!


「カードとか使えるの?」
「カード?」
「あたし、手持ちないんだけど、ていうか円じゃないよね?
何だったっけ?てか、金持ってなくね?あたし」
「……お前が何を言ってるのかは相変わらずちっとも分からねぇが、
金は持ってねぇだろ、お前」
「えぇー!?返してよあたしのテンション!!
そもそもさぁ、みんなどうやってお金稼いでんのよ」
「……稼ぐって概念はねぇよぃ」
「あ、海賊でしたね。えぇー?じゃあ隊長、お小遣い下さい」
「……(コイツ幾つだよぃ……)」
「女は物入りなのよ?」


上陸するまで何だかんだと言い争っていたんですが、結果はドロー。
だってマルコ、ちっとも折れやしないし!
まぁ、まぁね……。
そっちがそのつもりならあたしにも手があるわけですよ。


「ほら、行くよぃ、!」
「はぁーい」


買 わ せ て や る。












まぁね。何が普通の生活なのかは分からないよね。
普通の基準も人それぞれだろうし、
あたしの普通が例えば、
マルコにとっての普通じゃない場合だってあるだろうし。
うんうん、あるよねー。分かる分かるー。


「おい」
「(ええっとー。こういう場合ってどうしたらいいの?)」
「何とか言ったらどうだ」
「(ええー)」


よし。まずは順を追って話を整理しよう。
まず、マルコ達と船を降りたでしょー?で、市場に向かったでしょー?
凄い人だったでしょー?あいつら歩くのすっごい早かったでしょ……。
で、まぁ何なく迷子。マルコ達のせいじゃない?


「おい、たしぎ!何なんだこの女は!」
「先ほど野党に絡まれていた女性です!」
「野党に、だぁ?」


で、お約束みたいに絡まれたわけなんですが。
一緒に遊ぼう始まりだったから、
正直そんなに危機感はなかったというか……。


「あの道端に倒れてた奴等の事か?」
「……はい」


そりゃ幾ら何でも無理だよたしぎさん
(何であたし、さん、付けた?)


「おい、お前」
「(これ、どうしようかな……ていうかさぁ……)」


結構にこやかに話をしていたわけですよ。
どこから来たのー、だとか何してるのー、だとか!
そしたらよ!まず、あたしの真向かいにいた男が吹き飛んだよね。
特殊な持病でも持ってんのかと思ったわ。
それと同時に、もう最悪の展開が咲き乱れたわ。
ゆっくりと背後を伺えばほら、案の定!マルコがいたよね。
いやいや。言葉も出てきませんけど。
いやいやいやいや。


「なっ……!何してんの!?」
「人が捜してりゃあ、手前……!」
「ええ?ええ?いやいや、何!?」


何でぶち切れなのかまずそこから聞きたいわ。
話をしてただけでしょうが!


「勝手にしろぃ」
「ええー?」


残り二人をなぎ倒し去り行くマルコ……。
か、恰好……よくねぇし!あれ、死んだんじゃないの!?
慌てて近寄れば辛うじてまだ息はあったからセーフ?
何がセーフ?もう知らんよ。
そりゃ人だかりも出来るわ。


「大丈夫ですかー!?」
「ええっ!?」
「きゃあああああ」
「大丈夫ですか……?」


この人は期待を裏切らないなぁ、
とか思いながら盛大に転けた女性に近づけば、はいまさかのたしぎさん。
えぇっと、これ……。
何かのイベントが始まったって感じ?


「若い女性が男達に絡まれているとの情報が入りまして、大丈夫ですか!?」
「えっ、あたし?それとも、こいつら?」
「えっ……」


ようやく状況を理解したらしく、互いに沈黙が訪れる。
まぁ、仕方ないよね。ていうかさぁ!何マルコのあの態度……!
どういうつもりなんでしょうか!?
そんなもん、明らかに通り魔でしょうが!


「おい!!」
「うわっ」
「(……何だ?この女は)こんな所で何、油を売ってやがる」
「スモーカーさん」
「(な、何ぃぃぃぃい!?)」


まぁ、たしぎさんと言えば当然セットですよね。ですよねー。
この世界に来てよかった……!
あれ?でもあたし、立場的にはマズイんじゃ……。


「この近辺に白ひげの奴等がいたらしいが……こいつは仲間か?」
「いえ!彼女は被害者で―――――」
「被害者?」


さて、問題です。
あたしはこの窮地を脱する事が出来るのでしょうか……。
下手に口を開けばボロしか出ないと思い、
口を閉じていれば少し離れた場所で騒動が聞こえ、
恐らく知り合いが何か仕出かしたのだろうと予測する。
ほら、スモーカー超眼差し尖ってるよ!
あ。煙になるとこ見れるんじゃね?


「行くぞ、たしぎ!」
「えっ、あっ、はい!」
「その女も連れて行く!」
「!?(あたし超疑われてね!?まぁ、その猜疑は当たってますけどね!)」


瞬間、煙に包まれた経験は、まぁここ暫くの間は忘れないと思う。

スモーカーを出してみました!
彼に対する過保護っぷりは(私の)
半端ないので要注意です(あくまでもメインはマルコの予定…)