こんなやり方しか出来ないあたしを許して…!

 

※少し時系列がずれてますが気にしないで頂きたい。




空を飛ぶってこういう感じなんだろうなぁ、とか
これは抱き締められているという状態なんだろうか、だとかさ。
頭の中はそんな桃色想像で埋め尽くされていたわけなんですけど、ほら。
葉巻の香りってこんな感じなんだ、とかね。
挙句の果てには近距離からスモーカーの顔、ガン見。
…これは、いい!この感じ、いい!


「…何を見てやがるんだ」
「いや、折角だから」
「(何が折角なんだ…)そんなに見るんじゃねェ」
「(反応伺ってみよ)照れてるの?」
「あぁ、そうだ」
「!」


マルコとはまったく違う反応に驚きを隠せないあたし…!
まさかの肯定、そしてニヤリと笑うその余裕!!
逆にこっちが照れるわ!
大人の男って言うか、コイツ遊び慣れてんなぁ…
嫌いじゃ、ないよね!
そんな事を考えてたらあっという間に目的地へ到着。
あっさり放り出されましたー。連れない男…。


まあ、ひと時のスペシャルタイムを楽しんでいるわけにもいかないし、
ちょっとちょっとー。何?この騒動は…見た顔もある…?
えっ?どこを見ても白ひげ海賊団のクルーばかりで、
喧嘩でもしてるのかと思えば
(こいつらはつまらない事でよく喧嘩をするのよ、
船の中でもしょっちゅうやってるし)
どうやら様子がおかしい。


「お前、何やってんだよ!」
「そんなの、こっちの台詞よ!何?何がどうしたの?」
「いや、俺にもよく分からねェが、マルコの機嫌が悪くて…」
「ええ!?(あたしのせいじゃないよね!?)」
「つか、お前どこにいたんだよ」
「いや、何か海軍とちょっと…」
「はぁ!?これ以上面倒を持ち込むなよなー!」
「えぇーごめーん!でも、ほらスモーカーがあんな所に」
「何!?白猟のスモーカーか!?あぁ~っ、面倒臭ぇ!」


騒動の中心部分へ近づく。
皆あたしの顔を見て、何だかんだと
(どうにかしてくれだとか、お前のせいなんだろう、だとか、
どいつもこいつも好き勝手言いやがる!
まぁ、最後はどこにいたんだ?で終わるんだけど…)
言って来るわけで、一々反応しないまま向かう。


「ちょっと!」
「…」
「何やってるのよマルコ!」
「お前にゃ関係ねぇよィ」
「何その態度!!」
「やっぱり、仲間だったんじゃねぇか」
「あ」


マルコの腕を掴み、口論をしていたら背後にスモーカー。
何か、新しい諺みたいになったな。
マルコの視線があたしの頭上を通り越した。


「仲間じゃないなんて、言ってないでしょ」
「まぁ、そうだな」
「おい、何で知り合いなんだよィ」
「もう、マルコ、めんどくさい!!」
「…!?」
「…おいおい、ついさっきまで俺(の腕)に
抱かれてたってのに、妬けるじゃねぇか」
「…!?」
「やめてよねー。すぐ信じるんだから、この人」


笑いながらマルコを見上げれば、ほらきたよ…。
もう、超信じてるし…。
何その顔…。驚いてるの?怒ってるの?
いや、もうそんなのどうでもいいから逃げようよ…。


「ちょっと、マルコ!?」
「…」


怒ってるならいいけどさ、
ほら、目の前にいるのって白猟のスモーカーよ?ロギア系よ?
繊細もここまできたら迷惑だわ。相手、煙になるのよ?
確かにこの人数相手にスモーカーとたしぎさん二人で
敵うとは思わないけどさぁ、でもこう、一番隊隊長的にまずくない?
…仕方がないな。この借りはでっかいわよ、マルコ。


「よし、そこから動くんじゃねぇぞ、二人とも」
「あっ」
「あ?」
「はぁ!?」


思い切り踏み込み、スモーカーに抱きついた。
流石に予想出来なかったでしょう、二人とも。
マルコの様子は分からないけど、スモーカーは驚いてたし。
ごめん、スモーカー。
あたし別に何かの能力者でもないし、戦ったりも出来ないからさ。
こんなやり方しか出来ないあたしを許して…!


「手前…!!」
「ごめんねー」


スモーカーの手首に海桜石の手錠をつけた。
どうしてあたしがそんなものを持っているかって?
まあ、それは又、別の話…(某ドラマ風に)

今回無駄に長くなってしまったので…。
スモーカーを出したら収拾付かなくなった。