そんな目で見ないで!!

 

「お前、マルコと何かあったのかよ」
「え?何が?」
「何が?じゃなくて、ここ一週間くらい、ロクに喋ってねぇだろ」
「いや……そんな事は」
「喋ってねぇから!見てりゃあすぐ分かっから!」
「何?サッチ、そんなに見てるわけ?あたしを?マルコを?」
「面倒くせぇ女だなぁ、お前」
「……!?」
「あぁ、悪ぃ悪ぃ、悪気はねぇから」
「素直な男……!(自分自身に)」


突然、話しかけてきたと思えばそんな話で、
正直な所、聞いてくるなよとも思ったけど、まぁ仕方ないよね。
確かに、露骨なほど避けてるし、何か途中からマルコも避け始めたからね……。
いや、いやいや……。あんた別に避けなくてもよくない……?


「お、何だよサッチ。俺も混ぜろよ」
「エースはいいから。入って来なくていいから」
「はぁー?俺だけ仲間外れかよ。そりゃねぇぜ」
「まぁ、いいじゃねぇか
「他人事だと思って」
「まぁ、そうだしなぁ」


どいつもこいつも個性豊かなやつばかりで、あたし大変困ってます。
よっぽど喋ってないんだろうなぁ……
サッチが口を挟みたくなるくらいに!
エースはこれ……まぁ、完全に面白がってるだけだとしてもよ。
何か気まずいというか、そもそも理由を言えるのかという話で……。


「で、何だよ。振られたか」
「エース?」
「ならあれか。ヤってこう、気まずいか」
「エース?」
「これも違うってのか。面倒くせぇ女だな」
「てめえ、表出ろ」


ほら!完璧に面白がってるだけだからねこの男……!
で、サッチも笑ってる場合じゃないから!


「だーってよ!そのくれぇしかなくねぇか?」
「あたしとマルコの間には肉体関係は御座いませんけど!」
「何だよマルコ、まだ何もやってねぇのか。何やってんだかねぇ。俺ならやってるな」
「あんたの意見とか聞いてませんけど」
「なぁサッチ、やってるよな?」
「う~ん、まぁな」
「(サッチ!?)」
「だってお前、処女なわけでもなし、ここに来てどのくらいだよ。溜ま―――――」
「死ね!!!!!」


思わずエースに掴みかかれば待ってましたとばかりに受け止められ、
身動きが取れないレベルで抱き締められた。
まぁ、嬉しくないわけはないけど、それにしてもこの男ムカつくわ……!
サッチもサッチで、あたし別にじゃれてるわけじゃないからね!?
ていうかこの男(エース)軽っ!軽い!!
人の事を言えた義理じゃないけど軽い!


「いや~しかし、俺もこういう部下が欲しいねぇ」
「お前はすぐに手ぇ出すから駄目だろ。何より俺に迷惑がかかるしな」
「ちょっと!あんたドコ触ってんの!」
「いいじゃねぇか、俺も随分ご無沙汰なんでね。減るモンでもなし」
「サーッチ!」
「そろそろ止めときな、エース」
「何でだよ」
「まぁ、遅ぇか」
「!!!!!」


突然襲ってきたのはマルコの鉄拳で、
いやエースは兎も角、あたし関係なくない!?何でよ!?


「何を遊んでんだよぃ!」
「痛ったーい!!何!?」
「サッチ!エースの躾はちゃんとしろぃ!!」
「痛ってぇ!」
「な?遅ぇって言ったろ?」


こいつら最悪と思ったのも束の間、
マルコがあたしを担ぎ上げるものだから、少しだけ動揺した。
いや、でも少しだけだから!
だからサッチ、そんな目で見ないで!!

エースの回。凄く、不本意な出し方に…!! ちょっと話を進めてみました。
まあ、最早サッチの話になってるんですけど。
サッチはよく分からないけど使いやすいなあ。