お前たちはあたしの母親か。
命からがら?助かった風のあたしは(正直、実感がないんだよね…)
号泣するエースとサッチを引き気味に慰めながら、 このまま船に戻った時の事なんかを考え、正直ドン引きしてました――――― だってマルコの反応がマジで読めないっていうか、 タダではすまないんだろうなあとは思うんだけど、 面倒な展開は極力避けたい…はい、我侭です。 だって何かもう、あれだけ泣いてた癖に、 あいつら泣き止んだと思ったら説教かまし始めたからね。 どれだけ心配してたかだとか、云々。 …母親か。お前たちはあたしの母親か。 心配かけたとは思うけど、こちとら完全に想像の範囲外の出来事だったっつーの。 吹き飛んだかと思ったら、シャンクスがいたんだっつーの。 自分で言いながら、何を言っているんだこいつは…って思ってます。 いやーしかし、この世界に来てからというもの、 驚きの連続ではあったんだけど、それでも驚いたわ。 何で死んでないの?っていうか、 まだ生きてんのかよっていうトコにも驚いたけど、 そんな事よりもアレ、何…?覇気…?そんなご大層なもの? そもそも、あたし風情がそんなものを使える道理はないわけで、 それこそチート機能付きかよっていう… ご都合主義にもほどがあるんだけど、 ついてりゃ便利、人生イージーモードって感じ。 でも、あたしの意思で動かせる代物じゃなさそうだし、 都合よく使えなけりゃ意味ないし。 ああーそうだった。そんな事、考えてる場合じゃないんだった。 まずは――――― 「はぁー?駄目だ駄目だ」 「は!?」 「コイツは手前から、俺の船に飛んで来たんだ。とすりゃあ、コイツは俺の所有物だろ」 「お頭」 「いや、そりゃあまかり通らねェ。道理がねェだろ」 「二人とも、感情的になるんじゃねェ。こんな事で揉めちゃあ笑われちまうぜ」 「「こんな事って何だ」」 (…面倒臭ェ) 「こうなりゃ、ちゃーんと海賊の掟通り、命を賭けてやりあうしかねェな」 「ちょっと」 「バカな事、言ってんじゃねェ。そもそもがだ、このショウの意思くらい確認したらどうだ」 (おお…ベン、流石常識人…!) 「構わねェぜ、おい、!」 「何?」 「お前、どっちを選ぶ」 「はぁ?」 何でこんなにマジなのよ、本気と書いてマジなのよ。 今はそれよりも、対マルコ策を全力で練らなきゃいけないってのに、 こいつら(シャンクス・エース・サッチ)何考えてるの…? あたし、彼氏とかとガチ喧嘩って苦手なんだよねー。 引きどころが分からなくなるし、しかも喧嘩後のあの、 わけの分からない微妙な空気が死ぬほど嫌いなのよ。 本当、引くわー。 いや、まだマルコの反応なんて読めちゃいないんだけど――――― 「!!」 「えっ!?あっ、うるさい!」 「!?」 「シャンクス」 「何だ」 「命を救ってくれて、本当に感謝してるわ。あたしも、まさか生きてるだなんて思わなかったし、こうしてエース達と再会出来るだなんて思ってもなかった。でも、ごめん。戻らせて」 「…」 「で、こいつらで遊ぶのヤメテ。真に受けるんだから…」 「ばれてたか」 「何!?!?」 「まだまだ、お子ちゃまなのよ??」 シャンクスが酷く嬉しそうに笑うものだから、本当にこのおっさんは性格の悪い…。 あっけにとられてるエースとサッチの背を蹴りながら、 やっぱり頭の中を埋めているのはマルコの事だった。
すっごい久々に書きました(以下略) |