これ以上どうしたらあなたを愛せるの


海賊-マルコ




「…何?何て言ったの、マルコ。よく聞こえないわ」
「…っ、お、前」
「何よ。そんなに小さな声で言われたって全然聞こえないわ。もっとはっきりと喋ってよ、ねぇ」
「ぁ、あ―――――」
「その声、もっと、聞かせて」


まるで舌なめずりする音まで聞こえそうだ。
今まさに目前の女から貪られていると言っても過言ではない。
こんなにもふしだらな真似は神に罰されるだろうか。
信じてはいない神なんてものにさえ怯えかねない行為だ。


細い指先が性器に纏わりつき離れない。
きつく握ったかと思えば、指先が亀頭を撫で、
とっくに溢れている透明な液体を益々溢れさせた。
この自堕落な、そうして抗えない快楽から逃げ出せずにいる。
骨抜きにされているのだ。何て、見っとも無い。


「イきたいでしょう、マルコ。さっきからビクビク、ずっと痙攣してるわ」
「はっ、は、ぁ」
「でもダメ。まだイかせてあげない」
「お、前」


の舌が耳を舐め、鳥肌に似た感触が全身を包んだ。
ゆっくりと味わうように舌を這わせ、温い吐息と共に囁く。
こういうのが好きなんでしょう。
これまで、どんな生き方をしてきたんだと疑わざるを得ない台詞だ。
まあ、疑ったところでこんな様の自分がとやかく口を挟めた義理ではない。
両手は自由なのに、の身体を払いのける事すら出来ず、
されるがままになっているのだ。気持ちよさに、すっかり骨抜きにされて。


頭の中まで犯すこの女のやり口には感服の一言で、
既に限界を迎えている性器は根元がきつく握られている。
だから又、タイミングを逃した。息苦しい。何も考えられない。狂いそうだ。


触れ合う前までは確かに(口先だけかも知れないが)愛情の有無だとか、
この行為の理由を捜していたはずだ。
一緒に愉しみましょうと囁くの口車には乗らず、
それでも打算だけは分かった為、大人しく両腕を差し出した。
椅子に座れと顎で指示する女を捕らえながら、後手に縛られるがままになった。


この程度の拘束ならば気持ちが昂ぶるだけだ。
そうして、それは確かに気持ちを昂ぶらせた。
首筋から胸元へ舌を動かす女を見下ろし、理由なんてとっくに消え去った。


「お、前なんざ…」
「何?」
「っ、は、ぁ」
「何よ、マルコ」
「大っ、嫌ェ、だ…よぃ」
「何?どうして?イかせてあげないから?ねえ、マルコ」
「ふっ、は、あ」
「そんなに酷い事、言わないでよ。気持ちいい思いをさせてあげてるじゃない」
「ぁ、あ―――――」
「あたしが触るだけで、我慢出来なくなる癖に」


指先が離され、目前の位置でが指を舐めた。
マルコの目を見つめ、ねっとりとした舌の動きで体液を舐め取る。
もう、いっそ、このまま殺してくれと願うほどには狂おしい光景だ。
まだこちらは指先でさえ、に触れてはいない。
とっくに拘束から解かれた両腕はだらりと垂れ下がっている。


「だからあんたは、あたしから離れられないのよ」
「サル、みてェだな」
「気持ちよさは何よりの拘束具よ。誰だって求めるわ」
「嘯けよぃ」
「はち切れそうになりながら、偉そうね」
「―――――!!」
「愛してるわ、マルコ。本当に、あんたは、愛おしい」


そんな、とってつけたような言葉で性感帯はいとも容易く刺激され、
漏れる声を押し殺せず精液を放出する。
荒い呼吸の中、ようやく息苦しさから解放され、
歪んだ眼差しの中膝に跨る女を見つめる。
弧を描いたそれはに注ぎ、
冷ややかな眼差しの彼女は取るに足らない事だと、舌先でそれを舐めた。


アンケのお礼夢です(マジでか)
こう、何ていうか…責められマルコです(?)
若しくは攻め主人公です(大差は無い)
あえぎ声がまさかマルコのみとは、
我ながら恐れ入ったぜ(CP書いてるみたいだったぜ)

2010/11/03