お喋り鸚鵡の末路

• 幾度目かの失神から覚醒したは、
  この悪夢がまるで終わっていない事を知り落胆する。
  股の間を行き来する男の性器は熱さも固さも変わらず、発射さえ望めない。
  
  
  男が動き続ける間は相応の気持ちよさが全身を襲い、
  抗いようもなく身勝手にこの身体は揺さぶられる。
  
  
  お願い、もうやめて。何も知らないの。本当よ。
  
  
  うわ言のように繰り返すが、尾形はこたえない。
  叩き付ける腰が速さを増し、幾度目かの絶頂に達する。
  
  
  頭の中が真っ白になるような気持ちよさが続いたのも二度目までで、
  それ以降は只々、苦痛でしかない。
  呼吸が出来ず、頭の中をかき混ぜられるような恐怖に襲われ、
  幾度も幾度も強烈な感覚の波に襲われる。
  もう只、恐ろしく、涙が止まらない。
  
  
  気持ち良すぎて泣いてるのか、お前。
  
  
  尾形が笑った。
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
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  と尾形が出会ったのは、それこそ半年程度前の事だ。
  尾形がこのクソみたいな町に移動し、初めて補導した娘になる。
  
  
  掃き溜めでしかないこの町に咲いた徒花。
  ギャングの横行するこの町で最も目立つ女だ。
  幾人もの男の浮名を流していた。
  
  
  特定の男は作らず(いや、それもどうだか怪しい話だ。
  ギャング連中では飽き足らず、取り仕切るマフィアと
  懇ろになっている可能性が高い)
  掃き溜めの中で悪事を重ねるこの女が、一先ず邪魔だった。
  
  
  浮名を流す間に派生したトラブルに悩まされていた彼女に近づき、
  知った風に口を利く。
  
  
  署内にもこのと懇ろになった職員がいるらしく、
  最初からは横柄な態度だった。
  その可愛らしい顔がなければぶん殴っていたところだ。
  
  
  話を聞けば、とあるギャングの男に付き纏われているらしい。
  それだけの事は確かにやったはずだが、
  彼女の記憶からはすっかり抜け落ちている。
  
  
  分かったよ、。俺がどうにかしてやるよ。
  
  
  尾形がそう言えば、期待していないと言いたげなは
  適当に相槌を反した。
  その可愛げのなさに多少、興奮はした。
  
  
  そもそも、こちらには目的があるわけで、
  目的を達成する為にはいかなる手段も厭わない尾形は、
  早速そのギャングの元へ向かいターゲットを確認。
  一人になったところを狙い殺した。
  
  
  この社会のゴミ共に対する罪悪感は一切ない。
  署内に保管されていた、敵対する組織から応酬された銃を使った。
  一石二鳥を狙ったわけだ。
  
  
  案の定、子供たちはすぐに報復合戦へと縺れこみ、容易く殺し合う。
  さっさとつぶし合えと思いながらの元へ車を走らせれば、
  ある程度の状況を把握した彼女は尾形の姿を目にし、一目散に逃げ出した。
  故の捕獲だ。
  
  
  お前の為にやってやったってのに、
  大した手のひら返しじゃあねェか、。
  
  
  
  「ぁ、あ――――――」
  「あぁー気持ちいい」
  
  
  
  尾形はゆっくりとの首を圧迫する。
  先程から幾度となくだ。
  頸動脈を圧迫する為、脳に酸素が行きわたらなくなる。
  
  
  意識を失いかける瞬間に離される指。
  全身が痙攣する程、気持ちがいい。
  
  
  この気の狂いそうなセックスが終わる様子もなく、
  延々と続けられているのだ。
  何故か。
  
  
  指先を離し痙攣するを見つめる。
  可愛い顔は涙で彩られ、酷く性的な興奮を誘う。
  覚醒すると喘ぎ声が漏れだす。
  前後不覚かも知れないが、耳は生きているだろう。
  
  
  
  「この町に、杉元っていたろ」
  「…！！」
  「10年くらい前の話だ」
  「…！」
  「そいつと一緒にいた女は今どこにいる」
  
  
  
  動きを緩め、の顎を掴んだ。
  
  
  
  「…っ、知らな」
  「吐くまで終わらないぜ」
  「嫌ぁあ！！」
  
  
  
  もうやめてと、が尾形の身体を押す。
  当然びくともせず、又、同じ行為を繰り返す。
  
  
  ここまで責めても落ちないのだから、
  この女は本当に何も知らないのかも知れない。
  それならそれで、方向性を変えよう。
  
  
  散々、慰み者にし、ぐったりと身動き一つ
  取る事の出来ないを拘束する。
  
  
  しばらくここにいたらいい、ここは安全だぜ。
  
  
  は何も答えない。
  声を出す余力さえないというところか。
  作業用に尾形が借りたこの倉庫には当然訪れる人もいない。
  この小生意気な娘を完全に支配下に置かなければならない。
  
  
  一度の痛みを人は忘れるが、それが二度、三度。
  まるで習慣のように繰り返されれば恐れる。
  服従せざるを得なくなる。
  
  
  次にそこを訪れたのは三日後の事で、
  糞尿を垂れ流したの手首は、
  無理矢理に拘束を解こうと相当に暴れたのか血塗れだった。
  
  
  尾形の姿を目にし、狂ったように叫ぶ。
  三日程度ではまだ体力が残っているようだ。
  そういう負けん気の強さも興奮の材料だが。
  
  
  ホースで糞尿を流し、汚れたの身体を強制的に洗う。
  まるで家畜のような扱いに、彼女のプライドは音を立てて崩れる他ない。
  
  
  
  「おい、」
  「…」
  「俺に何か言う事はないか？」
  「…殺してやる」
  
  
  
  そう呟いたの頬に涙が零れた。
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
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  そんな生活も、もう一月になる。
  の不在は、あの町でも噂になっており、行方を捜す者も多い。
  まさかこんな町はずれの倉庫に囚われているとは
  誰も、夢にも思わないだろう。
  
  
  気高い彼女は辛うじての自我を保ち、完全に壊れる事はなかった。
  幾度も達し、幾度も辱められながらも。
  その点は評価に値する。
  
  
  
  「…杉元とは少しだけ一緒にいたわ」
  「！」
  「ほんの少しよ、あいつはすぐに姿を消したから」
  「女はどうだ」
  「知らない」
  
  
  
  知ってる事は全部話したと言い、
  お願いだから解放してくれと、初めて下手に出た。
  
  
  誰にも言わない、全て忘れる。
  お願いします、もう許してください。
  
  
  唯一残った自我が選んだ最良の方法だ。
  前髪をかき上げ、そんなを見下ろした尾形は、
  膝をつく彼女の側へ近づく。
  
  
  
  「そんなに必死に、さよならを言うもんじゃないぜ」
  「何」
  「俺とお前の仲だろ、」
  「嫌」
  
  
  
  もう後、一押しで全てを吐き出すはずだ。
  約束が違うと叫ぶを組み伏せ、又、同じ戯れを繰り返す。
  
  
  気持ちいいんだろう、そんな顔してるぜ。
  
  
  尾形が囁いた。
  
  
  
  
  
  
  

  ギャングスタ番外編
  尾形赴任直後の話です
  信じられないくらい酷い話でごめんな！
  月島の首絞めが暗かった為、明るい首絞め(謎)を
  書こうと思ったんですけど、こんな有様に
  多分、私に相当な難がある
  この主は無事解放されます
  二か月後くらいに
  
  
  
  2017/12/25
  
  NEO HIMEISM