強がる女は嫌いじゃないぜと笑うドフラミンゴは、
こちらを見ているのか見ていないのか、
然程興味のなさそうな素振りを見せていた。


あの調子でこの男は容易く命を奪う。
視線さえ寄越さず指先一つであっという間にだ。


瞬きする間に皆、死んだ。
まるで蜘蛛の糸に絡めとられたかのように
身動きの取れなかった自身はその様を俯瞰から眺める他なく、
ギリギリと肉に食い込む糸は微塵も動かず、
こちらの叫び声は一切、意味を為さなかった。


よくない付き合いというものは確かに存在する。
それが確かによくないと認知しているのに、
思惑の為に互いが搾取を続ける。
いつしか同等の立場だと思い違いをしていた。



「いいぜ、かかって来いよ」
「…」
「大切なものを失って、錯乱するお前もそう悪かねェ」
「ドフィ、」
「この俺を楽しませてくれよ、



ここ最近は随分と暇で暇で、俺は暇を持て余してたのさ。
だから別に何がどうってわけでも、特別な事をしたってわけじゃあない。


よくある事だ。よくある事さ。弱い奴は喰われる。
そんなのは、この世の当然の理。
分かってるだろう、お前も。



「あんたの痕が消えないのよ」
「…」
「皮膚の下の下の方まで、」



染みついて取れやしないのだと吐き捨てる。
全身に絡みついた糸の痕はまるでこの男の愛撫のように赤い痣を残す。


俺に抱かれたみたいだな、お前。
ドフラミンゴが哂った。




私を愛しているのでしょう?





拍手、ありがとうございました!
第百十七弾はドフラミンゴでした!
こういう特に興味のない感じの
ドフィが好きです



2019/8/18