レオナさんのモーニングコールはこの学園に来てからというもの俺の仕事で、
まああの人は朝が苦手で絶対に起きない。
起きないというか起きるつもりがない。

所謂根っからの選ばれし者って感じで、
世界はあの人中心で回っているんじゃないかと、
本人は確実にそう思ってるし、何の根拠もないのに俺までそう思っちゃう。

ああいうのが王者の余裕ってやつなのかね。
まあ、そんなのはどうでもいいし、世の常ってやつだ。
一々目くじらを立てる程、俺だってガキじゃない。

ガキじゃないんだけど、故に、みたいなとこ、あるよ。マジで。
レオナさん、あんた。


「…は?」


一人で寝るには十二分に広いキングサイズのベッドの中にレオナさんがいて、
その左腕の中にが寝ていて、とりあえず俺は言葉を失うわけで、
いやいや言いたい事や聞きたい事はマジで山ほどあるんだけど、
とりあえず二つ。

コイツ女だったの?って事と、レオナさんあんた何やってんの?って事。

後さ、こういう事してるんだったらドアノブに『入るな』くらいの、
いやそれだったら確かに俺は厭わず入っちゃうだろうから、
『ノックしろ』いや、それも無理か。
だってそもそもレオナさん寝てるし。
ノックしたところで絶対返事なんかしねー!

ていうかも何で起きねーんだよ。堂々とし過ぎだろ。
ていうかいつから!?いつからこうなの!?
あれ?こいつらがオクタヴィネルとひと悶着あった時??

確かに俺がレオナさんの部屋に泊まればいいじゃんって言ったけど!
いやだってその時はが女だって思ってもなかった―――――
まさかレオナさん、知って…!?


「…ん〜」
「!」
「ラギーてめェ…起こせよ」


珍しく自発的に目覚めたレオナの背後、小さく蠢く影が姿を表す前に部屋を飛び出す。
だって何て言っていいのかわかんねーし、そもそもお前裸だし!
だから俺は何も見てないし、何も知らない。
お前の事とか見てねーからな!

その後、食堂に朝食を食べに来たレオナさんは、マジで何食わぬ顔をしていて
(離れた所にいるも同じだ、どういう事だよ)
やはり一つの説明責任も果たさぬままで、
とりあえず明日からレオナさんを起こすのマジで嫌だなって思った。




時には君の傍で





拍手、ありがとうございました!
第百二十八弾は初ツイステよりレオナ(語りはラギー)でした!
男装監督生ってヤツですね
裸になってりゃ意味ないが

2020/4/26