大変な目に遭ったな、と一人言ちながら最寄り駅で降りる。
時間も遅い為、電車内はまばらだった。
最寄駅から歩いて20分程だ。
もう少し早い時間帯であれば開いている店も多いのだが、
流石にてっぺん近くともなると殆どの店が灯りを落としている。
そんな中、見慣れない店が目に入った。
少し前に流行った隠れ家風の店で、
大通りから一本入った裏路地に小さな看板が立てかけてあった。
一見、何の店か分からない。
雰囲気的にBARなのかしら、と思いながら看板を通り抜け裏路地を進む。
何だか異次元に入り込んだようで、不思議な気持ちになる。
ぐるぐると細い路地を歩きようやく扉に辿り着いた。
ドキドキしながら扉を開ける。
「モストロ・ラウンジ二号店へようこそ」
「はい???」
「おや、よくここが分かりましたね」
「いやいやいやいや」
「あれー小エビちゃんじゃーん」
「何してんの?あんたら…」
「仕事ですよ、見て分かるでしょう」
いや、見てわかるんだけどそこじゃない。
そういう事じゃない、聞きたいのはそこじゃない。
どうして最寄り駅と家の間にモストロ・ラウンジ
(しかも二号店)が開店しているのか。
っていうか、オクタヴィネル三人衆、こんなとこで何してるの?
しかも隠れ家風の割にお客さんそこそこ入ってるし…。
「小エビちゃん退いて退いて〜」
「わ、何?」
「お待たせ〜」
「ウーバーイーツやってんの!?」
「そりゃそうでしょう、こんなに便利なサービスを使わないわけがない」
「相変わらずの守銭奴…!」
「は〜い、よろしく〜」
テイクアウトの商品をウーバーイーツ配達員に手渡すフロイドを見ながら、
こいつらいつからこんな事をしているんだと逆に不安を覚える。
近くの席に座りながらとりあえずドリンクでも、とメニューに手を伸ばせば、
さん、22時以降は深夜割増になりますよ、とすかさずジェイドが声をかけて来た。
いや、絶対あんたら日本長いよね…!?
さらば、不可侵の青よ
拍手、ありがとうございました!
第百四十弾は前回の続き現パロ(オクタヴィネル三人衆)でした!
家の側にモストロ・ラウンジ出来たらいいよね。
通い詰めるわ。
続きます
2020/8/28