用事があっただとか、体調が優れなかっただとか。
そんな言葉を耳にするのは正直な所、もう、うんざりなわけだ。
真偽なんて関係ない。そんなものはもう要らない。
只、お前が欲しいだけなんだと馬鹿みたいに思っている。
現在進行形でそう思っている。


が約束を反故にする理由は分かっているし、
そうせざるを得ない状況だという事も頭では理解出来ているはずだ。
日陰者の二人なのだから、全てが思うようにいかない。
そんな事は分かっている。


それでも、いつかは自分を選んでくれるような気がしていて、
例えそれが妄想の類だったとしてもだ。
そう思っていなければ、やっていられない。


「…用事は?」
「終わらせてきたけど」
「へェ」
「信じてないんなら、聞かないでよ」


で、すでに嘘がばれている事を知っている。
最早、隠そうともしない。
だったら、嘘なんて吐かないで
洗い浚い吐き出してしまえばいいのにと思うのは、
きっとローの欺瞞なのだろう。


よくよく考えれば互いに本音なんて口に出していないのだし、
きっとはこれから先も本音を口にしない。
ああ、もしかしたら心一つ動いていないのかも知れない。
やって、られるかよ。


「なぁ」
「何?」
「俺のモンにしていいか」
「何?」
「お前をさ」


うつ伏せの状態で、まだこの部屋に馴染んでいないを見上げる。
ローの言葉に少しだけ沈黙を寄越した彼女は溜息を吐き、
やっぱり来なければよかったと呟いた。


ユースタス屋の顔が浮かび、あいつはどうするだろうと考える。


不機嫌に黙り込んだの手を取り、
冗談だよと嘯けば、動けないのはあたしも同じなのよと、
どうでもいい言葉を投げられた。






し 死ぬかもしれない。死なないかもしれない。


拍手、ありがとうございました!
第三十九弾もローでした。
何か、彼は拍手の常連化している気がする…。
あ、私が何角関係好きなだけですので。

2010/9/09