すっかり酒に当てられてしまったのだろうか。
そんなに酔いやすい方ではないはずだし、
酒を飲む時にはある程度のセーブをするわけで、
それなのにどうして足元が揺らいでいるのだろうか。


地方の権力者が開きたがるパーティに呼ばれる事は少なくない。
誰しもが横の繋がりを作りたがるからだ。
まあ、スモーカーはそんな遊びを楽しむ術を知らない為、
苦痛他ないわけだ。それなのに、何故今酔ったのか。


「ちょっと、あんた何、そんなに酔ってるのよ」
「…ん?お前か」
「大丈夫なの?」


揺らいだ視界の中に、
ドレスアップしたの姿が見えたわけで、何故か笑ってしまう。
お前もここに来ていたのかと言いながら、何も考えず腕を回した。


「ちょっと!」
「何だよ、いいじゃねェか」
「何がよ!本当、あんた、どんだけ飲んだの?」
「出ようぜ、なぁ、。こんな所にゃ用がねェ」
「用があるから来たんでしょう?挨拶とか終わったの?ね、ねぇ!」


ふらつきながら冷たい風を求め、ざわつく会場を抜け出した。
胸元の大きく開いたドレスを着ている彼女、
そして酔っていない癖に頼りないピンヒールの足元。
好きでもないジャケットなんて脱ぎ捨て、ネクタイも取った。


「ねぇ、スモーカー!どこに行くのよ」
「ここまで頼む」
「ちょっと!」


タクシーの運転手にホテルの名前を告げ、
そのまま目を閉じれば明日の後悔なんてものが、
こちらを心配している姿が見えた。
目を開けば、隣に座ったが呆れた様子で窓の外、
流れる夜景を見つめている。


心地よい眠りに襲われたまま、何気に手を繋げば、
ねぇ、スモーカー。が名を呼ぶが答えず、
又しても現れた明日の後悔相手に言い訳をしていた。


し 仕方ないから笑ってあげる


拍手、ありがとうございました!
第四十二弾はスモーカーでした。
日頃激務にて疲れている(に違いない)
スモーカーを酔わせてみようの回。

2010/9/16