共に高みを目指そうと、同じ志を抱いたわけだ。
だからを仲間として船に招きいれ、
まぁその際にはキラー達と話し合いなんて行い
(お前がいいと思うんなら、そうしたらいい、だとか
あいつらは言ってやがったが)
色んな下心が透けちゃいねェだろうかと
妙な心配をしながらもある程度の形に納まった。
いや、まぁ正直な話、この女とどうにかなりたいと、
思っていないわけがない。
海賊なのに、まんまと気持ち一つ奪われているのだから、
それはそれで何とも情けない話だとは思う。


「ちょっ」
「うお」
「重いんだけど、キッド」
「悪ぃ悪ぃ、躓いた」


上の空で歩いていれば、躓き、前を歩いていたにぶつかった。
そんな際に触れた掌さえ熱を持つ。
仲間にしたはいいものの、それから先の展開がまるでない。何一つない。
逆に動けなくなっている。
むしろ、仲間にした以上、他の輩に手を出される危険は
なくなっただろうと妙な安堵さえ抱いている。
それがいけないんだと昨晩、皆に言われたばかりだ。
何を安心してるんだとキラーは言い、
あいつがいつ、どこで他に男を作ってもおかしくはないんだと力説された。


「な、なァ…」
「あ!あれじゃないの?」
「あ?」
「あたし、ちょっと行って来る」
「おい!!一人で行くんじゃねェ!」
「コーティング、するんでしょう?あんた達、評判悪いからあたしが行くわよ」


ルーキー達が一同に介しているこんな島で、
単独行動なんてしてるんじゃねェよと一人で焦っていても同じ。
彼女はさっさと職人の元へ行っているのだし、
そんな彼女の姿を輩が興味深そうに見つめているような気もする。
ぶっ殺すぞ。
仕方ねェなとを追いかければ(て言うか、俺ァ一応船長なんだが)
邪魔をしないでと言われ、若干へこんだ。


もしかして


拍手、ありがとうございました!
第四十四弾はキッドでした。
何だかキッドは毎度てんてこ舞いなんですが。
舞台はシャボンシティです。

2010/9/28