こちらの遊びに付き合うシャンクスが何を考えているのかが分からない。
こちらの言うとおりの事をし、特に意見を述べない彼を眺めながら、
果たして愉快なのだろうかと、詰まらない事を考えてもみるが、答は出て来ないのだ。


好き勝手にしている振りをしながら、
シャンクスの手中から一向に抜け出せない現状を知っている。
どこまでも掌で踊らされ続け、きっとそのまま死ぬはずだ。
先の見えた人生なんて酷く詰まらないものだと思った。


素っ裸のシャンクスは何を隠すわけでもなく、
ベッドに寝転んだままこちらを見ているし、
見られている事に気づいているは鏡越しにシャンクスを見つめた。


片時でもシャンクスと離れる事が苦痛となり、いつだって彼の姿を捜している。
思惑通りだろうと思った。


「キレイな背中だ」
「何、見てるの」
「お前を色んな角度から見てる」


耳障りのいい言葉を選び、冗談めかさず口にする。
こちらの反応は伺わず、傍から見れば押し付けがましい愛情を包み隠さず差し出す。
その度に心は揺さぶられ、別に経験がないわけでもないのに、
すっかり骨抜きにされてしまったようだ。


このまま今日はあたしの側にいて、この部屋から一歩も外に出ないで。
このまま、あたしをどうにかしてよ。


気づかずにいられる幸福


拍手、ありがとうございました!
第五十八弾はシャンクスでした。
シャンクスとだらだら過ごす数日。


2010/11/17