彼より弱い振りを、必死に弱い振りをして、
どうにか嫌われないようにって必死に堪えて、
だけど不意にばれそうになる。
どうにかあの人に嫌われることを避け続けたくて、
こうして弱い振りを続けて。
バカみたいだって自分でも分かってるのにやめられない。
好きで好きでどうしようもなくて、
せめて嫌われたくなくてこんな真似を続けて。
どうなるというの。



「…は馬鹿だね」
「お屋形さま」
「幾らそんな真似を続けたって、あの人は振り向かないよ」
「そんな事、求めてないですから」
「?」
「嫌われなければいいんです」



だから立会人にはならず、ずっとあの人を追っかけて、
決して目立たないように必死に追いかけて。
あたしの全てを投げ売って生活も人生も何もかもを捧げて。
もう彼しか見えない。ずっと彼しか見えてないから。
それなのに、



「…お前の事は好きじゃあない」
「…!!」
、俺を見くびるなよ」



当の撻器には全て筒抜けで、
とっくに全て知られていて、もうどうしようもないのだと知るのに、
それなのにどうしてまだ夢中なの。
もう何をしたって無駄なのに、
この心は彼を求めるばかり。



いつだってそう。
今だって。
彼がいなくなった今でも変わらず、求めてばかりよ。



愛も夢も空も罪も

全部あなたの物だから






拍手、ありがとうございました!
復活第八十二弾は何よりも愛してる男(私が)撻器さまでした。
愛が止まらない。

2015/10/26