When's he gonna kill me in this room奥に、どうでもいいから兎に角奥に入る感触が好きらしい阿含とのセックスは柔軟性までも求められるわけだ。冗談じゃないというほど足を開かされるわけだし(自慢ではないがあたしは身体が硬い)翌日意味不明の筋肉痛に苛まれる事も多々ある。確かに奥に入った方がすこぶる気持ちはいいし(故に足を高く上げるのだろうけど)セックス=気持ちがいいに越した事がないという考えは共感できる。 「ちょっ、ちょ、」 「あ?」 「足、無理!!」 「無理って何だよ」 「攣る!!」 「はあ!?」 騎乗位で何となく緩々と過ごせばじきに(結局この男は騎乗位ではイかないわけだし)自分で動き始める。自分の騎乗位が余り上手ではないと知っている は何故そこまでしてこの男は騎乗位をさせるのだろうと毎回思いながら(だからといって断る気はない)やっている。 程度が乗ったところでびくともしない阿含の身体はとても同じ年代に見えないしそれは彼も同じ事を思っているのだろう。最近又痩せた。 「スゲエ笑えんだけど」 「何?」 「お前、歳幾つだよ」 「あんたとタメでしょ」 「攣んなよ」 失笑され少しだけへこんだ。阿含は片腕で身体を支えている。実際この男の身体、そうして重さがマトモにのしかかってきたら堪らない。死ぬかも知れないと(冗談抜きで)思える程度には。それにしてもいつまで動くつもりだろう。 「あんた・・・」 「何だよ」 「意外にイかないわよね」 「意外って何だそりゃ」 「体力余ってまーす、みたいな・・・」 「ま、足は攣らねェわな」 知っている。阿含は顔を見ている。表情を、反応を伺っている。 「だってお前、ココ触りゃすぐイくだろ」 「やっ、」 「しかもイったらイったでよ、衰弱すんじゃねーか」 「ぁ、す、い、じゃくって・・・」 「動かねー女とヤんの嫌ェなんだよ」 阿含の体力についていける女はそうそういないと思う。兎に角早く出してくれやしないものかと思いながらざわめく感覚に身を任せた。 □ ■ □ 目を覚ます。大変身体が重い。身を起こそうとしてもまったく身体が動かない。寝惚けた頭に僅かな恐怖心が芽生えるが動けない理由が阿含の腕だった、だなんて笑えない話だ。しかもこういう場合阿含の腕を動かそうものならば寝惚けたまま下手をすれば殴られるものだから は溜息を吐く。薄暗い阿含の部屋は既に見慣れた風景と化しまるで自分の部屋のようだ。うとうとと時間を誤魔化していれば突如鋭い光が出現し の網膜を刺激した。携帯が鳴っている。これは困った事態に陥った。 「・・・」 阿含の腕を動かさなければ身体は動かない。身体を動かさなければ携帯に手が届かない。携帯を取らなければまずい。(この色は)携帯を取らなければ―そんな事を考えていればじきに着信は終わった。あたしも終わったと思いながらふ、と視線を動せば阿含がいる。目を開けた状態でだ。 「・・・何」 「何だよ」 「今日はお目覚めいいじゃない」 「どうだかな」 じっとりと汗ばんだ下腹部が押さえ込まれドレッドの束と共に深く口付ける。もう一度携帯が光った。掌ごと身体を押さえ込んだ阿含に光りなんて簡単に隠されじきに見えなくなった。 Almost Golden(Courtney Love)
どうなる事やら・・・ |