BABYBABYBABY

拓海を呼び出した理由はとてもくだらない。
最低の女に成り下がる為に拓海を呼び出した。
今思えば自分は拓海に対し嘘ばかりを吐いていたのだから。
優しさに甘えていたのだろう。
常々甘えているとは思っていた。
どうする事も出来なかった。甘えに甘えていたのだろう。
拓海は何でも赦してくれたものだから。
何も食べていないから身体の動きが悪い。
具合はずっと悪い。酷く寒い。寂しい。


「待った?」
「・・・ううん」


拓海はすぐに来た。




子供が出来たという嘘を吐いたの罪と、そんな嘘を吐かせた拓海の罪。
俺の事どうしてもいいよ、がもしどうにかしたいんだったら。
拓海はそう言う。
そんな事言うなよ。は思う。
あたしはあんたをメチャクチャにしてあげられるわよ。
わざとらしく腹を押さえたに拓海は気を使うし、
はそんな自分が情けなくて仕様がない。
もういっそあたしを殺してよ、嗚咽交じりにそう叫べば
拓海は何も言わずを抱き締めた。
ああ、だからたまらなくなる。生きていたくない。


「どうしてかな」
「何?」
「俺がいるからお前―は駄目になるのかな」


拓海の声が酷く遠く聞こえた。
ねえ、ここにいるのはあたし一人なのかしら。

暗いなあ
2005/4/13