雨が続いているという理由でエースはずっとこの部屋にいる。
珍しいと思った。この男が一箇所に留まるだなんて。
それにしてもエースはずっと窓の外を見ている。
の方など見はしない。一緒にいる意味はないと思う。
やりたい盛りを少しだけ過ぎたエースにしては、
Hの回数も多いし一体どうしたのだろう。
そう思えどもあえて聞く気にはなれず、
深い空気が室内に木霊した。
雨音とエースの吐息とそれと自分の呼吸音。
ぬるい、重い。
雨はいつやむのだろう。
エースはいつまでここにいるのだろう。
「」
「えっ?」
「俺が殺したらどうする?」
「は?」
「今、お前を」
エースは唐突にそんな事を口走りの胸に埋まった。
は何も言えず天井を仰ぐ。
エースが今何を求めているのか、彼は何を欲しているのだろう。
分かり始めている、分からない振りをしている。
きっと、エースも気づいている。
が気づかない振りをしている事に気づいている。
エースがその気ならば、
なんて瞬間に殺されてしまうのだろうし、
どうなのだろう、エースはどうなのだろう。
雨はまだ降り続いている。
エースは身動き一つしない、寝入ってしまったのだろうか。
動けないはエースの重さに潰されそうになりながらも
目を閉じた。
再UP
2005/5/21