俺は 君がずっと嫌いでした
オレハ キミガズットキライデシタ

女をゴミ同然に扱っていても
罪の意識なんてものは到底芽生えようがなく
恨まれてもノープロブレム。
俺は強ェし頭もいいぜ、サリーはそう笑う。
皆自分に従う、狡賢く強い男にひれ伏す。

「触んないでよ」
「んだよ」
「あたしあんた、嫌いなのよ」

昔から知っている女、に対してはどうしても。
何故かと考えれば答えなんて出ては来ず
単に女として見ていないからだと思った。
女じゃねェ女だったら要らねェんだよバーカ、
この距離は一体何だろう。

「あんた評判最悪じゃない」
「あ?」
「女さらって、犯り捨て?」
「んだよ、テメーも犯られてェのかよ」
「馬鹿じゃないの」

そんな匂いはしない。
選り好みしない男ならばまだしもサリーはとても要求が多い。

「何お前。何やってんだよ」
「あんたには関係ないでしょ」
「可愛くねェなおい、教えろよ」
「ちょっと、野暮用」

友達から呼ばれてさ、
はそう言い帳に消えていく。
別にそれだけだだから
がその後たまたまサリーに再会したのも
偶然というヤツであり運命などではない。
の知り合い、まぁ今現在のの交友関係なんて
まったく知らないのだがきっとその中にも
自分達が手を出した女は山ほどいるだろう。
だからどうした。









「ちょっとやめてよ!!」
「んだよいいじゃん、」
「やだって!!」
「おい」

サングラスをかけヒゲを生やした男が振り返る。
サリーを見る。
男の口がサリー、そう呟いた。
手を強く掴まれ身を引かれていた女もサリーを見る。
女の口がサリー、そう呟いた。の声で呟いた。

「えっ?何で・・・」
「何でもクソもねーよ、テメー何やってんだコラ」
「サリーの女なの?やっ、俺、知らなくて・・・!!」
狙った女の前では絶対に本性を見せない、
落とすまでは絶対に。
女を怖がらせるだなんてそんな真似はしてはいけない。
目的を達する為には。落とした後はどうでもいい、
女に手を上げる事さえ持さない。
サリーはの目の前でその男を強かに殴り倒した。
は僅かに顔を引き攣らせていた。









小学生の頃からの知り合い、
仲のいい人間はだけが残ってしまって他には誰もいない。
男を殴り倒したサリーには小さな声でポツリとアリガト、
そう呟き別に助けたわけじゃねーし、サリーはそう言い
逃げるように店を出て行くを眺めていた。
眺めてそうして頭を振り追いかけた。
は数百メートル走ったのだろう、
予想よりも遠い場所にいてそれでも
サリーからしてみれば優に追いつける距離だ。
今夜はとても月が大きい。

「何よ」
「怖ェんだろ、」
「別に、」
「一人じゃ帰れねェんじゃねーの、足震えてよ」

は何も答えない。

「俺さぁ、」

お前がずっと嫌いだったんだよ。
サリーの大きな手がの頭を撫でる。
だってお前あれだろ、全然俺に媚びねェし、
サリーは言う。
は何も言わず振り返りもせず
只歩く足を止めていただけだった。





なぁ 。俺はお前がずっと嫌いでよ、
これから先も変わらねェだろーな。
どーゆー意味か理解っかよ。
理解ってんだろ、バーカ。
だから嫌ェなんだよ。

サリーの夢を書いていた自分にビックリだ。