サマアネイテイヴ- NOTHING!

あまり乗り気ではなかったにも関わらず(人ごみ苦手)
来てしまったのは塔子先輩の誘いがあったからであり
待ち合わせ場所に塔子の姿がなかったとしても仕方がない。
野球部マネージャ、(一年)
いつまででも塔子先輩を待たせて頂きます(忠犬宜しく)




「あれ?ちゃんだけ?」
「あ、湯舟先輩」
「何なんだよ一体・・・・あいつら・・」

ブツブツと独り言を言いながらの隣に座った湯舟は
の顔を覗き込む。
第一印象は凄く愛想のない娘、可愛いけど愛想がない。
些か声のかけ辛い感じすら漂っていたが
本人にはそんな自覚などまるでなかったらしい。
仲良くなったら文句なしに可愛いから別にいーじゃん、
少しだけ幸せを噛み締めたりもする。

「湯舟先輩一人なんですか?」
「つーか遅れたと思って急いで来たんだっつーの!!」
「え?」
「今八時半だろ?」
「いや・・・まだ七時半ですよ」
「は!?マジで!?」

慌てて携帯を見た湯舟の手中をが覗き込む、
のつけているフレグランスに幾分酔いしれかけたが
今はそれどころではない。
確かに湯舟の携帯、それの時刻は八時半過ぎだ。

「あたしの携帯、見ます?」
「おう」
「ほら、」

の携帯では七時半過ぎ。
釈然としない湯舟が手当たり次第に声をかけ
数人の携帯を見せてもらったが
やはり間違っていたのは湯舟の携帯らしい。
約束は七時半、それはと塔子だけの話。

「は??何で???」
「時間合わせた方がよくないです?」
「お、おう」

戸惑いながらもまあそう悪かねーし、
楽観的な湯舟はそのままと話し込んだ。









「ああ!?」
「あいつ何やって―」

元凶登場―
今日の部活終了時湯舟の携帯に悪戯したのは若菜と桧山だった。
ちょっと時間進ませてみよーぜ、
他愛もない悪戯がもたらしたものとは一体。

「んもー!!」
「うるせーな」
「恵ちゃんが遅れるから・・・」
「謝ったじゃねーか」
ちゃん凄い待たせちゃったじゃない!!」
「え?何?ちゃんも来てんの?」
「・・・・・・・・・」

少し遅れ塔子と安仁屋も登場、
すっかり湯舟と打ち解けているを目の当たりにし些か驚く。
そうして本当は湯舟よりも五分遅れくらいに来ていた(十五分前行動)
新庄と岡田が内心ようやく出れる、と思いつつ登場を。
若菜と関川、御子柴、今岡、平塚達が
赤星、濱中を引き連れ(微妙なメンバー)
登場した頃には全員が揃っていた。

「は?お前何?」
「赤星、あんたも来るのねこーゆートコ」
「来るっつーの、つーか、え?」
「お前ら遅ぇーんだよ!!」
「お、おう・・・(本当は来てたんだけどな俺ら二人)」
「ごめんねちゃん!!待たせちゃって!!」
「いいですよ塔子先輩、湯舟先輩もいたし」
「な?ー二人で盛り上がったもんなー俺ら」




「「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」」」




顔を見合わせ笑うと湯舟、畜生何だか無性に悔しいぜ―
今度は半日進めてやる(流石に気づくだろう)
胸中にどす黒い思いを秘めたまま一向は祭りへと向かった。









意外に皆相当楽しんでいるらしく気づけば一人だった(要は迷子)
人に酔い少しだけ離れた場所へと向かった。
神社の本通を避ければ幾分明かりはなくなるが
静かな場所にたどり着ける。

「疲れた・・・・」

カチリ、火をつけタバコを吸う。
大勢と一緒にいるのもそう悪くはないが
幾分あのメンバーだ、非常に疲れる。
そもそも本当にいつ逸れたかも分からないまま
携帯で連絡を取ろうとも思ったが少し休憩してからだと。

「何やってんの?」
「・・・・・・・」

休息の取れない場面に遭遇してしまった。

「ちょっと・・!!」
「一人?マジで?」
「止めてもらえません!?ああ、もう!!」

強引に腕を引かれは嫌そうに顔を背けた、
見知らぬ男、十九、二十歳辺りの男だろうか。
に直接声をかけた男と今の腕を引っ張っている男、
その二人より少し離れた場所に二、三人の男が笑っている。

―ヤバイ、

不穏な空気を察知せども今の状態は非常に危険だ、
逃げる事すら出来ない。

「いーじゃん、なあ?」
「ささ、どーぞもっと奥に、」
「触んないでよ!!」

少しの自己嫌悪、迂闊だった―
こんな所に一人いるなんて、
男の力に抗えずは必死に抵抗を見せるが
それもどうやら時間の問題のようだ。

「ちょっ、誰か!!」
「聞こえねーって、だって祭だぜ?」
「何なのよもう!!」
「離してやれ」
「あ?」

突然割って入ってきた男の声、
の腕を掴んでいた男の腕が
尚強い力で握り締められた。

こういう学生物を書いたら無駄に長くなる。
昔はオールが好きだったと見たね!