青春ラナウェイ

何で何も言わないのよあんたあたしの事好きじゃないの?

(るせーなウゼーし、どーだっていいっつーの)


前髪切ったのに、気づきもしないってどういうわけ!?

(分かるわけねーべ!?んな一センチとか知らねーし!)


今日も部活!?え!?何!?あたしといつ遊ぶのよ!

(あ〜ウゼェ・・・)


案外クールな柴田の一面。
グロカワ四人集は知っている。













「おいそこの馬鹿!」
「あ!?」


威勢良く罵声をぶつけられた柴田は不機嫌そうに振り返る。
つい今しがた彼女と別れてきた。


「んだよ、かよ」
「こっちも柴田かよ!って感じ」
「てめーから声かけてきたんだろ」
「だっているんだもん、あんた」


は結構昔からの友達だ。
恋愛感情が介入しない楽な付き合い。
ちょっとだけ格好つけるお年頃の割りに
に対しては格好をつけるも何も存在せず
案外冷たい男だというレッテルをつけられてしまった。
間違いではないと思う。


「何?あんた何そんなぶすくれてんの?」
「女と別れてきたっつーの」
「えー?あのキレイな?」
「本当顔だけだぜ、あと胸」
「え?他に何か求めてたの・・・?あんた」
「・・・・いいや」


だったら文句ないじゃない大概我侭な男ねあんた。
自由が欲しいお年頃。
俺自由が好きだしさ、つーかぶっちゃけやりてーだけだし、何て。


「あ。そうだ」
「あ?」
「あんた淡口くんのメルアド知らない?」
「淡口?」
「そ、」


あたし間違ってアドレスだけ消しちゃって。
電話かけんのも何かさ、はそう言い笑う。
いやいや待てってちょっと待てよおい、柴田は驚きを隠す。
が淡口と仲がいいとは知らなかった。
別に、どーも思ってねーけど、俺は。













もしかしたらと淡口はいい感じにまとまるかも知れない。
最近の爆笑発言(淡口による)
<俺あれだぜ、最近普通に付き合いてェんだよな、もう枯れたかも>
江夏に至っては腹を抱え笑い転げる始末だった。
だったらいいじゃねェの、柴田はそう思う。
まだ淡口ほど遊びまくってはいないし枯れる予定もない(猿並だ)
全部忘れて全部なくして何にも気づかないまま転がる。
まだまだ愛なんてものに捕まろうとは思わない。

柴田って可愛い奴でしたよね。
バカな子ほど、という言い回しが最も似合う。