正しいものなんてこの世界にはないのかも知れない

多分そうだと思う。
恐らくはきっと正しい事なんてないのだと、
そう思わなければやってられないのも事実だ。
自分が仕出かした事だとか。
どうでもいい優しさの類だとか
それは本当は優しさだなんて思わないのかも知れないし。
否そんな事はどうだっていいのだけれど。


言い訳は幾らでも、彼女の前ではどんなにも偽れる。
好きだという気持ちさえ偽りきり
それでも彼女にはとうに知れていて彼にもきっと。
だからは又今日も嘘を吐く、虚栄を張る。


「よ、お疲れさん」
「何お前何やってんの?」
「バイトー」
「今から?」
「そう」


部活前の岡田は少しだけ笑いはメールを見る。
そう、彼女からのメールだ。
意外と仲のいい彼女からの。


「そう言えばさー岡田さー」
「何だよ」
「結局どう思ってんのよ」
「どうって・・・」


どうも、つーかお前はどうしたいわけ、
俺とあいつがくっつきゃ納得すんの?
岡田がふとそんな疑問をぶつけは少しだけ息を飲んだ。
そうして少しだけの間を置きどういう意味、そう言う。


「だって、」
「けどそれは違う、と思う、けど」
「その心は?」


互いに少しだけ間が開いた。
は笑って流した。
流せなかったのかも知れないが
岡田はそれを追求せず話はそこで終わる。
だからきっと何が正しいかではなくてきっとそれは。
彼女は全てを知っていて気づいていないのは
きっと自分だけだったのだろうとは思う。
それと同時に場違いな後悔が胸を埋めた。

ノンフィクションです・・・