ブラッキングトークショウ

大分昔の出来事らしい。
辺りは動物ばかり、青々とした草木は延々と生え続け
一国一城の主になる事すら容易い時代だ。
そんな昔、はある三つの兄弟と仲がよかったのです―













「なあなあ!」
「ルフィ?」


ちょっと今はあたし洗濯を―
麻の籠を持ったに抱きつきながらルフィは喋りかける。
真っ白なシーツを取り終えたは籠を置きルフィの手を取った。


「何?」
「いや、俺にもよく分かんね―んだ」


え?がルフィを見ればルフィはニコリと笑う。
ルフィが言いたかった事はどうやら食事会のお誘いらしい―
例の三組の兄弟とのお食事会。
只ではすまなさそうな匂いがプンプンする。
ルフィも来るんだよね?
がそう聞けば当たり前だ!と。
俺がお前を誘いに来たんだ、他の奴らと行っちゃ駄目だぞ?
ルフィはそう言いの頬に軽く口付ける。


「ルフィが一番だね」
「ししし、そうだぞ」


そんな仲睦まじい光景を見つめる影が5つ―
互いに腹の内を探り合いながら
男達はそれぞれにニヤリと笑った。













(どれが誰なのか考えてみよう!)


「あの野郎俺のちゃんと・・・
まあいい、最高のディナーでちゃんをもてなした後・・・・(ニヤリ)」

「ま〜たうちの弟は余計な事してくれて・・・
まあいいさ、本番にゃ俺がを頂くからよ・・・(ニヤリ)」

「・・・あのクソガキ何してやがる・・・人のモン(違)に手ぇ出すとはな、
まぁ当日になりゃあ話は別だがな(ニヤリ)」

「ルフィの野郎何やってやがる、だけどな・・・
俺がやった時はああ素直じゃなかった癖によ、まぁ後数日の辛抱だな(ニヤリ)」

「ま〜だまだ甘ぇんだよあのガキ!!、
フッフッ!最後にを頂くのはこの俺だぜ(ニヤリ)」


各々欲望渦巻く胸中を隠したまま日は落ち昇り、
食事会当日はやって来る。













「なあルフィ、を呼んできてくれねぇか?」
「いいぞ!」


何となく異様な雰囲気を引き摺りつつ一応村はずれの館―
この辺一体の地主である兄弟(クロコダイル&ドフラミンゴ)の家、
というよりも城に三つの兄弟は集合していた。
サンジはキッチンで腕を振るっている。
館の持ち主である二人の兄弟は姿を見せない―
ゾロは値の張りそうなソファーに寝転がり目を閉じている、
寝ているのだろうか。
そんな中唯一セッティング等をきちんとこなしていたエースが
を連れて来い、ルフィにそう言ったところで
ルフィがそれを疑うことなどなく
犬のように飛び出していった彼を見送りながらエースは笑う。


「悪ぃなルフィ・・・」


弟の後ろ姿を見送りながらエースはそう呟く。
騙すような真似しちまって悪ぃ、と。
どこからともなくこの館の持ち主である兄弟が姿をあらわし
寝ていたはずのゾロも起き上がる。
片手に料理を持ったサンジも姿を見せ皆集合―
エースは口を開いた。


「こりゃ至ってフェアな勝負だ」


能書きはいいんだよ。
クロコダイルがそう発しドフラミンゴはフフフと哂う。
階段の手すりにもたれかかったドフラミンゴは
よほど先が面白いのだろうか、
終始笑い続け異様な雰囲気は高まりを見せた。


「ルフィにはばれてねぇんだろうな」
「ああ、そりゃあ心配ねぇ」
「酷ぇ兄貴もいたもんだな、おい」


大体にしてこの三兄弟はあまり仲が宜しくない―
いや、このクロコダイルとドフラミンゴの兄弟が異質なのだ。
サンジとゾロの兄弟は他の兄弟というよりも
兄弟間の仲があまりよくない。
だからといってクロコダイルとドフラミンゴの兄弟の仲が
いいのか悪いのか、それは誰一人として知る由がない。
唯一仲睦まじいと思われるのがこのDの兄弟であり、
それは間違いない。


「心外だな、そりゃあ」
「あん?」
「この件に関しちゃあルフィのヤツがフライングしちまったんだ」


腕組みしたエースはそう言いクロコダイルを見上げる。
ゾロは一人ソファーに座りこんだまま興味なさ気に欠伸を一つ、
サンジは呆れたように傍観するだけであり、
ドフラミンゴはどこかへ姿を消した。


「まぁ俺にしてみりゃあな、
あんた方が絡んできた時点で怪しむんだけどよ、」
「おいおい二人ともそこら辺にしとけって」
「ああこりゃすまねぇなコックさん、気にしねぇでくれ」


エースとクロコダイルは互いに睨み合い
割って入ったサンジをも寄せ付けない勢いだ。
皆が一様にを狙っているのは周知の事実であり、
このエースとクロコダイルが互いに最も嫌いあっているのも又事実、
仕方ねぇな、サンジが頭をかきテーブルの上に視線を落とせば
ゾロが勝手に酒を口にし、今度はここで新たなバトルが勃発する。


「おいこらテメェ!!」
「ああ?」
ちゃんに差し上げる為のシャンパンだろうが!!」


うるせぇないいじゃねぇか、
サンジがそう叫べばゾロは悪びれた様子もなく
もう飲んじまった、と。
大体何のこのこ来てんだクソマリモ!!
サンジが足を振り上げた。













ルフィに右手を掴まれた
息を切らせながら食事会会場へと向かう。
少しばかり気合を入れた格好―
そんなを見たルフィは何も言わず只々笑った。
ねぇルフィ、もう少しゆっくり行かない?
はそう言う。
ピタリと動きを止めたルフィはくるりと踵を返し
を抱き上げ走り出した。













「・・・・・・何?」


到着したのは村はずれの立派な館―
はその佇まいに驚く。
ねぇルフィここなの?
がそう聞けばルフィは簡単に頷く。
どうしてここなの?
だってルフィ達あんまり仲、よくなかったんじゃ・・・
ルフィはどうやらの話を聞いていないらしい。
まぁルフィ達がいいんなら別にいいんだけどさ、
はそう呟きながら館の入り口へと向かった。
金の細工が施されているドアノブを回せば室内が垣間見れる。
大声で到着を知らせるルフィをよそ目に
はきょろきょろと辺りを見回しながら中へと入った。


「・・・・!?」


少し目を離せばルフィは消えており、
は突然目の前に姿をあらわした一人の男―
ドフラミンゴの登場に息を飲む。
ドフラミンゴは気紛れそうな視線を
に落としながら軽く両手を広げた。


「いよぉ
「あ、お邪魔します・・・ドフラミンゴさん」


今日はお食事会なんですよね?
念押しのように聞くにドフラミンゴは曖昧な返事を。
最初からその気はなかったドフラミンゴは
食事の事などすっかり忘れてしまっているに違いない。
どうにかを自室に連れ込もうとするが
極力強引に事を進めたくはないらしく
酷く、それは遠まわしに。
苦労しつつを階段下まで連れて来たドフラミンゴは
舌打ちをした。


「あ、あの何が・・・・」
「気にするんじゃねぇ
「いや、でも」


気にするなという方が無理ではないのか―
階段の踊り場にいるのはクロコダイル、
彼の視線の先には腕組みしたままのエースが。
これは絶対的によくない雰囲気だ、
これじゃあ上に上がれねぇじゃねぇまったく使えねぇ―
ドフラミンゴはクロコダイルを見上げた。


「おい、テメェ」
「ああ?」
「邪魔だ、どけ!」


お願いやめて、が身を硬くした瞬間
クロコダイルvsドフラミンゴの兄弟喧嘩が勃発、
はエースにより安全な場所へ連行された。













「あ、エース!」
「いよぉ、いらっしゃい」


ねぇどうしてここなの?
がそう聞けば一番広い、と。
エースはをリビングへと誘う。
軽く背中にまわされた腕はショウを包み
は些か安心するのだが
リビングまでの僅かな道のり中に
又もや目撃してしまったのだ。


「この・・・!!」
「テメェ・・!!」


が目の当たりにしたのはゾロとサンジの兄弟喧嘩―
長い足と鋭利な刀は館を壊し続ける。
ねぇエース、あれ!
が小声でそう囁けどもまぁ気にするな、
エースは相手にせずリビングのドアを開けた。
が部屋へ入ってしまうのを見届け
エースは通路で殴り合っている二人―
サンジとゾロに声をかけた。
(この時点でクロコダイルとドフラミンゴをエースは排除したようだ)


「おいコックさん、」
「・・・・ああ!?」
「喧嘩もいいがが来ちまった、準備はいいか?」
「何っ!?ちゃんが!?」


テメェ何かと殴り合っている場合じゃねぇぜ、
サンジはゾロにそう言いキッチンへと向かう。
ゾロといえばサンジとエースの両者に
訝しげな視線を送るだけだ。

昔のサイトにあった何だろう、オール?
しかもパラレルなの?カテゴリ的にルフィらしいですよ