ある朝の若い亡骸

何の事はない。
只の呪縛から解放されたに対しての
スモーカーの態度は酷く冷たいものだった。
が確か幾つだったろう、五歳程度の頃からの知り合いだった。
スモーカーはをよく知っていた。
何の偶然かそんなが悪魔の実を食べてしまったのが丁度十歳の時だ。


「行け。二度と戻って来るんじゃねェ」
「スモーカー」
「行け」


両親はすぐに殺され、
そんなを迎えに来たのはあのドフラミンゴだった。
どこで話を聞きつけたのかは分からないが
未だ七武海にも入っていなかったドフラミンゴは
己の能力に怯えるを言葉巧みに言い含め連れ去った。
その事にスモーカーが気づいたのはが既に港をたった後の事で、
それ以来顔を会わせていなかった。
こんな形での再会は誰しも望んではいなかったと思う。
でさえも。


「怒ってるの?」
「・・・・・」
「あたしが、沢山人を殺したから?」


立ち尽くすはぼんやりとした眼差しで自分を見上げている。
己の能力も、何もかもが分からない有様でだ。
いいように利用されている事には気づいているのかも知れない。
は泣いているのだから。
許しを請うには少しだけ、ほんの少しだけ遅すぎた。


「スモーカー」
「・・・」
「今あんたがあたしを殺さなかったら」


あたしは又同じ事を繰り返すわ。
そんなの言葉に
返す言葉を見つけきれなかったスモーカーは
只背を向けていた。

再UP。
書いてて何ですが、
スモーカーにこんな事を言われたら泣いてしまうよ!