ドラッグストアカウガール

大事なもの。君以外の全部。
確かそんな事をいわれたと思う。
余りにも散文的で理解に苦しんだような記憶が。
そうして裸体。あの男の裸、性器。
どいつもこいつも同じようなものをぶらさげてやがる、心中でそう吐き出したように思う。
この辺りが曖昧なのは酒と一緒に飲んだ薬が効いていたからだ。
目覚めれば全身に酷い倦怠感が宿っていたあたり
又やってしまったのだろう。色んな意味で。


今日も明日も明後日も一昨日も大して差は無い。
いつだって同じだ、同じ事が繰り返され日常が非日常と化してしまう。
だけのせいではない、周囲が奔放に動きすぎるだけだ。
それにしても悪い薬だった、の指先が僅か震えた。




明日どうにかなるかも知れない、そんな思いだけで暮らしていればこうなってしまった。
全て遊び、全部がお遊びだ。実のところどうだっていい、何もかも全てがどうでもいい。
今日もは闇ルート(といえども大したものではない)
より入手した薬を代価に身を差し出す。
差し出すという言い方は適切ではないのかも知れない、
只やるだけだ。嫌ではないから。


「はい、いらっしゃ〜い」
「準備、いいんやね」
「どうせ来るだろうってね」
「納得」


この両目には正確さが存在しない。
目の前に立つ男の姿なんてどうでもいいし実際誰だっていい。


「んー」
「何よ」
「どうせ、覚えてないんやろ?昨晩の事とか」
「当たり前」
「しつこかったんよ、昨日は特に」
「あたしが?」


当たり前のように身を寄せたギンはそう言いの下着を外す。
教えてあげる、ギンの言葉の意味は判らない。
薬はまだ摂取しておらず―死ぬ時は一人、ギンはそう囁いた。


「・・・・・何?」
が欲しがってた答やないの」
「は?」
、ボクはボク」


この身体はこの身体、穴があって挿れるだけなんて淋しなあ。
一度だけ目を閉じもう一度開けばギンの姿が的確に映る。
はもう一度目を閉じた。
愛して、そう囁いたギンを見るべきか否かは迷い
そっと薬に手を伸ばせば途中でギンの手を掴んだ。

再UP。
これ、いつ位に書いたんだろうか、と思ったら
2004年らしいですよ。5、5年前…!?