GoNE・・・

素肌に近い感覚で唇を撫でてそうして目の前の彼の姿を黙殺する。
明日なんてはなからありはしない、
そんなものに希望は抱いていないしそもそも待ってもいない。
あんたの事なんて嫌いよ、今すぐにだって言える言葉。
少しでも弱みを見せれば速攻で潰しにかかられるこんなご時世、
強いわけではないが弱くもないと思う。きっとそれは。


「剣八」
「・・・何だよ」


折角室内にいるというのに、
先ほどからは殺気を隠そうとしないし、
それに剣八はうんざりしている。
殺気自体は嫌いなものではないがこうも露骨に、
それなのに絶対に殺したくない相手から送られれば嫌にもなると。
を抱いてそうして眠りに落ちたいだけの場合は。
は何を考えているのか。あの足りない頭で。


「おい、」
「あのさぁ」
「止めろ、それ」
「あたし多分一人で死ぬのよね」
「あ?」
「何かさ、」


それが今凄い嫌だった。
はそう言い立てていた膝を伸ばす。
は子供だ。
身体だけが時間に比例し大きくなっただけの子供。
だから確実に任務を遂行できるし余計な情も持たないはずだったのに。
ねェ剣八は嫌じゃないの、そういうの。
はそう呟き答えを待つわけでもなく近づく。
胡坐をかいたままの剣八の身体に寄り添えば
は目を閉じないまま身を任せた。

再UP
2004/10/4