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奇術師の血統
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青キジの野朗に閉じ込められ早三日だ。 泣こうが喚こうが頑丈な鉄の扉はびくともせず、 挙句の果てに海桜石の手錠までつけられているのだから打つ手がない。
そもそもこちとら海軍の人間だというのに、この扱いはどうだ。まるで罪人ではないか。 それでも似たようなものだと青キジは言い、これ以上面倒を増やさないでくれと呟いた。
こんなものさえなけりゃああんたなんて、
がそう言えば、 だから付け込まれるんだと返された。それは確かに。 青キジを甘く見ていたから今まさに拘束されているわけだ。少しだけ気が動転していたから。
「早くここから出してよ青キジ」
「あんた、そりゃァ…無理な話だ」
「無理も何も時間がないのよ」
「勘弁して頂戴よ
、これ以上問題を起すんじゃないよ」
「エースの処刑はいつになったの」
青キジがドアを閉めた。眉間に皺をよせ、一気に場の空気が重くなる。
「あんたねェ、少しは場をわきまえ―――――」
「ジンベエにもそう言ったの?」
「―――――
」
「早くここから出して」
腕組みをし、目を閉じた青キジは苛立ちを必死に押さえようとしている。 分かっている。事が終わるまでここから出られないという事、 自分一人がどうこうしたところで何も変わりはしない事。全て分かっている。
それは
にしても、青キジにしても同じだ。
「
、俺ァ、あんたの過去に何があったかなんて知らないわけだし、知りたいとも思いやしねェ。只、過去に何があったとしてもだ。海軍にいるって事はそういう事だ。何れこうなる事くらい予測はついてたでしょうよ」
「予測?そんなもん、つくわけないでしょう」
「お遊びは終わったんだよ、あんたは全部、その目で見なきゃいけない」
見たくないってんなら潰してやろうか。青キジはそう言い
に近づく。 制裁に近いのだろうと思い、そんな真似をされるのであれば刺し違えてでも抵抗してやると思い――――― 動けもしない
に対し青キジがするわけもないのに。やはり少々参っているようだ。
「まったく、とんだ海軍様々だよ」
「…知ってる癖にね」
「うん?」
「こんな事してたって、エースが死んだらあたしも死ぬわよ」
生かすためにこんな真似しないでよ。 そう呟き視線を上げれば無表情な青キジがおり、思惑が交錯する。 このエゴイストが、そう思えどもそれは自分も同じだと、これも又知っていた。
2009/2/8(エース、出てきてませんが。これは青キジでは…) 模倣坂心中 |
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