「え?何?」


思わず聞き返した理由は問わないでもらいたい。
そもそも脱獄は出来る状況下
それをしないこの男の胸中に腹が立っているのだ。
プライドで何が出来る。プライドで何が食える。
能力を奪われたわけでもないのだ。


「なぁ・・・」

「もう一回言ってもらえる?クロコダイル」

「あぁ、何度でも言ってやろうじゃねェか」


退屈を持て余してはいない。
退屈を楽しんでいるに違いない。


座敷牢の中で共に死なないか


俺と一緒に。
笑いながらそう言ったクロコダイルの顔を
真正面から見つめた
ああ、獄中生活のせいで
彼はとうとう狂ってしまったのかと溜息を吐き出す。


「そもそも座敷じゃないし」


辛うじて吐き出せた言葉はそれで、
そんなを見ながらクロコダイルが笑った。



何て幸せそうな二人
2006/12/25