「心が痛いって?」


笑わせるじゃない、そう言ったのはだ。やさぐれた。
そんなを目の当たりにしたシャンクスはシャンクスで
何となく自尊心を擽る目の前の女の存在を認める。


「・・・で、何の用だ?
「エースがいないんだけど」
「・・・そいつは俺に聞く話じゃねぇな」
「どこに行ったの」


悪い夢を見ていた。立て続けにだ。
ぞっとし目覚めれば夢の内容なんてまったく覚えておらずそれが尚更気持ち悪かった。


「又いつもの事なんじゃねぇのか?」
「シャンクス」
「心配し過ぎなんだよ」
「どうしてこっちを見ないの」


捨て去った代償はあまりに大きく はそれに今気づいたのだろうか。
言われるまで気づかなかったのは自分が俯いていた事実。
跳ねるように顔を上げればが今にも泣き出しそうな顔をしていて尚更病んだ。
まだ走り抜ける最中のエースにしてみれば当然の行動だったのだろう。
自分でもそうしていた。
余計なものを背負うわけにはいかなかったのだ。
が余計なものではなかったとしても。


「捜すわ」
「あぁ」
「認めない」
「あぁ」


背を向けたは泣いていたのだろうか。
シャンクスは瞼を横断する傷跡がやけに痛むと思いながら酒を飲んだ。



ネタばれだらけですが、
暫くなりは潜めるでしょうね・・・エース
衝撃の展開につき思わず一話。
2007/1/23