あんたは本当に馬鹿だ、だとか何だとか。
要は呆れたのだろう青キジの言葉を聞きながら
もう少しで泣いてしまいそうだと思った
少しだけ息を吐き心を落ち着かせようと目論む。
目論むが目論みは安易過ぎたらしい。


「あんたよりもこっちが泣きたいよ」
「嫌いなの?」
「好き嫌いの話じゃないでしょうよ」
「あたしはこんなに好きなのに」
「あんたの保護者はどうしたの」


こいつは厄介な問題を抱えていやがると
他人事のように笑っている場合ではないドフラミンゴは
依然物陰に隠れ事の成り行きを見守っている。


そう、全てはの為に。
大体が青キジに会いに行き、
そうして青キジがから逃げ回り
ドフラミンゴが迎えに行くというパターンなのだ。


「あんたは自分の立場をもう一度把握しなさいよ」
「立場って何よ」
「あのねぇ・・・」


こいつには何を言っても無駄だぜ、
ドフラミンゴが心の中でそう思ったのと同時に
恐らく青キジも同じような事を思ったのだろう。
埒があかないと大げさにため息を吐く。
そりゃそうだ。ドフラミンゴは思う。
方や海軍の大将、方や七武海の俺様(この場合この俺、ドフラミンゴだ)
がバックについている正体不明の女―


「だって、結婚してくれるって言ったじゃない」
「言ったって・・・そりゃいつの話だよ」
「嘘だったの?」
「ガキの戯言でしょうよ」
「!」


おいおいそいつはマズイぜ、
物陰に隠れながら一人焦るドフラミンゴを横目に
青キジは何とも残酷な発言を繰り返すもので、
だからドフラミンゴは出るタイミングを失ってしまった。
の背中は微かに震えているのだろうか。
ああ、どうやら失言に青キジ自身もようやく気づいたらしい。


「・・・?」
「・・・」
「あらら・・・」
「・・・」


そうしての右腕が鈍く光った事を確認したドフラミンゴが颯爽と登場しエンド。
あんたも照れ隠しが上手いもんだ、等と口走りながらを連れて行く。
青キジは青キジで(まったくあの男も大したものだ)
来るのが遅いのよ、なんて言いながら(しかし大分安堵はしたのだろう)見送った。













「・・・あたし」
「いーや、。それ以上言うんじゃねぇぜ」
「だって、あいつ」
「照れ隠しだ。それ以上でもそれ以下でもねぇ」
「本当?」
「あぁ、この俺が言ってんだ」


だから落ち着け、いいから落ち着けと諭すドフラミンゴの腕の中
目を閉じたは何れ眠ってしまうのだろう。


愛しさゆえの迷走劇はこれからも続く。
全てはドフラミンゴの手の中で。


まあ、あの変なシリーズなんですけどね。
このドフラミンゴは一体全体何をしたいんだ。
2007/2/1