咄嗟に身体が動いた、なんて事は滅多にないわけだ。
それこそ現実に於いては。必ず理由が存在する。
その線から考えればまったくもって、それは不純な動機からだった
まあ存在すれども明確にこれだと分かる場合もそうなく、
大体なんとく分かっているだけだ。


に手を伸ばしたのは容易く管理出来そうだと踏んだからだ。
よくない願望だとは思っていたが
まさかそれを現実に出来るとも思えておらずそのままにしていた矢先。
少し時間をかければ願望が現実に堕ちてくる―絶好のチャンスを逃す事もないだろう。
そう思った。


自分だけを必要とし自ずと、
何れは自分がいなければ生きてさえいけないと思い込ませるには完璧なモルモット。
スモーカーを選択肢より除外し揺ぎ無いものとする。忠誠に似ているのだろう。
まあそれは愛なのだろうかと考えれば少しだけ違う気がした。
欲望なんて言葉を変え近づけば完璧にコーティングされる。
既に盲目になっているのだから。


そんな経緯でとスモーカーの旅が始まり、
徐々に歪な亀裂が入っては無理矢理に修復を繰り返す。
そんな日々が始まった。


愛だ。それは愛だ。愛、完全な、無条件の。


与え、与えられ、傍から見れば異常な執着とさえ見て取れる
の愛情を揺るがない位置で与えられる。それの繰り返し。
慣れればそれが普通になる。普通になれば、僅かばかりの落下も許されない。


の背に見えず彼女が感じない重圧が積み重なった。
このままの状態でいれば恐らく気づかないだろう。
もう目なんて覚めなければいいのだ。そう思い、願っていた。


何か、スモーカーの話って大体暗いよね。
まあ、私の所為なんですけど。 2007/4/29