裏切りだと感じ要は単に許せなかったのだ。
だから小さな蟠りだけを残し今に至る、蟠りは消えず残ったままで。
にも係わらず今になり頻繁に顔を合わせるようになってしまい僅かばかり後悔を募らせた。
こんなつもりではなかったのに。
との思い出だけはまったく昇華出来ないでいる。
思い出が美化されるなんて言ったのはどこのどいつだ。
腹がたつ記憶はやはりそのままで、何一つ変わりはしない。
恐らく彼女も同じだろう。
似たもの同士、よくいえばそんな例え方であり悪く言えば似すぎていたのだ。
己可愛さに似た輩を引き寄せ惹かれそうして近すぎた為嫌悪を覚える。
あの時学び二度と繰り返すまいと心に誓った。エースは。
「嫌いな女だ」
ポツリと呟く。エースは。
「生まれて初めて、憎んだ女さ」
殺しちまいてぇと思う位は。
そう呟きグラスを空ける。
同じ酒場の中顔を合わせる事にさえまだ慣れない。は慣れたのだろうか。
だからこうやってシャンクス達と一緒に酒を飲んでいるのだろうか。分からない。
「何にしたってよ」
そこまで本気になったってのはいい事じゃねぇか。
そう言い切ったシャンクスは俗に言う大人なのだろうか。
分からない。それでも。
「あいつがどうして俺達と一緒にいるのか、聞きてぇか。エース」
「・・・いいや」
遠慮しとく。
まだ吹っ切れちゃいねぇとシャンクスが笑う。
そんな事は当のエース自身が一番分かっている事であり、
それこそも同じだと呟いたシャンクスの一言が余計なのだ。
こうまで憎む理由は決して許せないからだ、
愛しきを腕に抱きすくめてそれでももう二度と許せないと知っている。
どれだけ愛そうが同じ、思いの量は変わらず質だけが変わる。
「まったく」
詰まらねぇ真似をしちまった。
そう言ったエースの背中を叩いたシャンクスが笑う。
つられてエースも笑った。
更新が久々になってしまってスイマセン。
何だか最近エースが書きたくて(まさかの内容)
2007/6/6