を見ているとこう、柄ではないけれど胸が苦しくなる。
お前を一人にしておけるわけがないだろう、この俺が。
そんな気持ち。 どうしてお前を一人にしておけるんだというこの苛立ち。


を守ってあげなければならない、この俺が。
だからずっと彼女を見ていただけだ。
出会った頃からずっと、一度として目を離した事はない。
誰かしらがを見ている。
そうしてシャンクスの元へ情報は届けられる。
そんな暮らしを続けていたのだ。だけが知らない。


がいつどこでどんな目に遭っているのかを知りシャンクスは心を痛める。
いつだって。
ああ、お前はどうしてそんなに。
そんな事になってしまっているんだ―
そんな痛みを繰り返し覚えシャンクスが重い腰を上げた時、秒針は動き出したのだ。
低く鈍い音を響かせながら。









ああ、もう死ぬ。
そう思いふと刃先に視線を向けた瞬間だ。
顔面、否全身に弾けた血。それも大量の血液だ。
何が起こったのかは分からず只心拍だけが上がっていた。
指先も震えていた。


ゆっくりと膝をついた目前の男はそのままの上に覆い被さり、
それを避けたはもう一人の男を見つける。
片腕のないシルエットを見た瞬間まさかという思いが過ぎる。
そんなわけが。
片腕のない男は幾らでもいるだろうか。
どうなんだろう、頭がよく回っていない。


「あぁ、
「何・・・」
「可哀想に」
「何で」


血に塗れたを見た瞬間息を飲み言葉を忘れた。
今殺した男はどこぞの船長か何かか。
まあどうでもいい話だ。大した輩ではなかっただろう。


「何で、あんたが」
「危なかったな、
「何で」


目の前では自分を見ている。今は自分を見ている。
あの時とまったく同じ場面を思わず再開してしまったシャンクスは、
まったく偶然というものは怖ろしいと笑った。









初めてに出会ったのは、シャンクスが彼女の両親を殺した時になる。
最早殺した理由も覚えていない。
と出会えた奇跡だけは信じてもいない神に感謝した。
ああ、俺はこの娘に出会う為に生きてきたのだと思い持ち帰る。
そうして一度離した。
を同じ船上に、自分の側に置いておくのが危険になった為だ。
それでもずっと見ていた。そう。ずっとだ。


「又一緒に暮らそうか、


なぁ、俺達は。春を契った仲じゃないか。

シャンクスがもうどえらい事に
2007/8/19