ああ、また堕ちた

   インフルエンサーとして名の知れたヴィルには様々な声がかかる。彼は聡明で美しく、学生ながらに自身をプロデュースし幅広いビジネスに関わっているのだ。そんなヴィルがプロデュースするというエステの体験入店には来ていた。来月中旬にオープン予定らしく、今日は打ち合わせがあるのだと言っていた。

丁度いいからアンタも来なさいと声をかけられ、ヴィルは打ち合わせに行き、そのまま1人で施術を受ける事になった。対応するのは長身の涼しげな美人で、こちらへどうぞと声をかけられる。

案内されたのは薄いカーテンで仕切られた施術室で、当然オープン前なので他には誰もいない。渡された紙の下着に着替えマッサージ台に横になる。何故こういうマッサージ系の店はバリ風、若しくはアジアン風の装飾なのだろう、だとか、しかもそれってこっちの世界でもそうなんだ、だとか余計な事を考えていれば例の美人がやって来た。



「リラックス出来るお香を焚きますね」



酷く甘ったるい香りのお香が焚かれ、うつ伏せに寝るよう促される。彼女の指はサラリとしていて心地よい。ツボを的確に押さえた指圧で全身に血液が廻る。10分程経過しただろうか。次はオイルを使った施術を行いますね、と言われ返事を返す。



「こちらお肌に良い成分が入っておりまして、大変人気のコースとなっております」



人肌に温められたオイルが背に垂らされ、少しだけ身体が動いた。彼女の十本の指が背中全体にオイルを広げる。指先は背中から腰、わき腹と様々な場所へ動き回る。優しく撫でられる感触が気持ちよくうとうととしていれば、遠くからヴィルの声が聞こえた。



『ちょっとアズール!このランクの照明じゃダメよ!』
『あなた、予算という言葉をご存じないんですか』
『ここは私の名前が冠になる店なのよ!?妥協なんてありえない!』
『まぁ、そう仰ると思い、別案を既にご用意していますよ。』
『だと思ったわ』
『フロイド!』
『はぁい』



声は遠のき、ドアの閉まる音が聞こえた。又、静寂が訪れる。同じタイミングでヒップアップの施術に移行した。更にオイルを追加され、お尻の肉を持ち上げるようにグイグイと押される。

足の付け根のツボを押すので少し足を開いて下さいと言われ開くも、女の腕がグッと足を開かせてきて驚いた。女の指は足の付け根を押し、そこから股関節をなぞるように動く。こちらは片足を曲げた状態だ。



「オイル足しますねー」



更にオイルが垂らされ、女の指先がお尻の割れ目をなぞった。そのまま、その下に潜む肉の割れ目に触るか触らないかの接触が続く。触られているとはっきり言う事も出来ないし、だけれどその都度、声が出そうになる。ビクビクと肩を震わせるをじっと見た女は臀部から指先を離した。



「…次は足のマッサージに移ります」



際どい場所のマッサージが終わり一安心だ。太腿からふくらはぎ、足の裏。全てがオイル塗れになり気持ちがいい。又、うとうとと睡魔に襲われかけた時だ。



「ぁっ!?」



突然の感触に目が覚めた。



「あ、あの、これは、」
「こちら当エステだけのリラクゼーションとなっております、身体の力を抜いてリラックスしてくださいね」
「んっ、あ、はい…」



女は長い舌での足の指を舐め、しゃぶっていた。横になっているからは見えない光景だ。何をされているのか分からないまでも、感じた事のない感触は分かる。

で、くすぐったさと気持ちよさで声が出そうになるのを必死に耐え、身体の下に引いてあるタオルをぎゅっと握った。身体の芯がジンジンと熱くなっているのがわかる。火照っている。おかしい。この施術は五分程続いた。無意識に腰が動いていた。



「はい、終わりましたよー」
「あ…はい」



そう言われホッとする。次の施術を待っていれば、仰向けになって下さいと言われ大人しく従った。ずっと下を向いていた為、眩しいかなと思ったが室内は間接照明程度の明るさしかない。目を凝らし辺りを見回そうとした瞬間アイマスクが付けられた。余分な情報を遮断し、リラックス出来る環境をつくる為らしい。自分がどういう状況なのか知りたかったが諦める。紙の下着はオイルで透け、硬く尖った乳首がくっきりと浮いていた。



「デコルテからやっていきますねー」



視界を奪われた身体は感覚が研ぎ澄まされる。更に追加されるオイルが垂れる感触、デコルテから乳房にかけ滑る指。息があがる。指先は時折乳首を掠め身体が動く。



「どうされました??」
「いえ、別に…っ」



耐えるを女はじっと見ている。タオルをぎゅっと握ったの指先。無言でオイルを垂らし、硬くしこった乳首をぎゅっと摘んだ。突然の快感にが喘いだ。指先はくりくりと乳首を責め続ける。



「お声は我慢されなくても大丈夫ですよー」
「ぁっ、やぁ、これ、」
「みなさんそうなさいますので」
「ヤダ、ちが、」



両乳首を責められ身悶えながらも、それにしたって感じすぎていると思うが身体が言う事をきかない。女の指は人差し指と中指で乳輪を広げ、ピンと張りつめた乳首を弄ったり、オイルで滑りのよくなった乳房を爪先でなぞり続ける。そんな状態を延々と繰り返されぐったりとしているの足が突然大きくと広げられた。