愛ってなんですか






阿含を見ながら思いがけずそんな言葉を吐き出してしまい
非常に気まずい雰囲気にこの部屋が満ち満ちる数分前。
その辺りが一番具合のいい雰囲気だった。
適当な阿含は珍しく機嫌がいいらしくずっとこの部屋にいたし
の心が激しく揺さぶられる事もなかった。
畜生、こんな雑誌なんて見てるんじゃなかった。
そう腹の中で悪態を吐いても同じだ。
ジロリとこちらを睨んだ阿含は途端に機嫌が悪くなったらしい。
そこらの我侭な女でさえここまで気分の高揚が激しくないだろうと思う。

「くだらねェ事言いやがって」
「ごめんね」
「知るか」
「忘れてって」
「そんなモンねェんだよ馬鹿」

ダウンジャケットを掴み乱雑にドアを閉めた阿含を見送った瞬間、
あの阿含が(暴れもせず)答えを置いていった事に気づき少しだけ笑った。

名前変換が一個しかない。
こ、こういう阿含は可愛くないですか・・・