霊木

これは霊木と言うのよ。
そう言った はやけにばかでかい木の下にいた。
故郷に生えていた樹木とは少々様子の違った
ここいらの木々に囲まれれば異国に紛れ込んだようだ。
だから霊木を無闇に斬り付けるなとも言っていた。
ジンはそんな の発言にやたら同調していたし、
それはそれで酷く腹の立つ出来事だ。


寝たらすぐに忘れる。
そうして今そんな霊木の下でいざ営もうとしている
の頭の中が分からないだけだ。
月明かりに照らされているのだろうか。
の肌が死人のように白く透き通った。


「・・・言ったでしょうムゲン」
「あ?」
「これは霊木だって」
「あー何か言ってたな」


樹木は冷えていた。


「あんたが野垂れ死なないように祈っとかなきゃあね」
「俺は神仏の類なんざ信じてねぇ」
「だから命を狩るのよね」
「あぁ」
「何れ、あたしも狩られるのかしら」


その時の の顔が酷く艶っぽく見えたものだからムゲンはつい口を滑らせ、
何れも何も今すぐに狩ってやるぜ、
なんて吐き出してしまい から視線を逸らす。
狩れるものならとっくに狩っているのだ。
そうして彼女もその事に気づいている。
それが分かるから段々と狩れずに、そうして、恐らくは搾取される。


「・・・怖ぇ女」


満足げに吐き出したその顔。

拍手御礼夢第九弾。ムゲンは初かな?
むしろサムライチャンプルーが初かな。
まあ普通の馬鹿っぷるです。
拍手、有難う御座いました!
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