ゆっくりとドアが開き細い光が侵入したその時だ。
あの薄暗い部屋から出て来たのはγであり珍しく俯いていた彼はふと視線を上げる。
嫌な場面に出くわしたと思った
は軽く舌打ちした。
あの部屋の中には何があったのだろうか。
余りよくはないものだったのだろうと思える。
何故、それは。γのいた場所だからだ。
「・・・よぉ」
「お疲れ様です」
「どうした、
。今日はやけにつれないな」
「あんた、何してたんです」
余計な事を口走ってしまったとは思った。
口を出す必要はなかったのだ。
そうしてそんな
のミスをγは見落とさない。
ゆっくりと唇の端を歪めた。
ヤニの臭いと獣臭。
何が行われていたのかは明白だ。
キレイ好きなこの男の指先が汚れているこの事実。
「愉しい事だよ」
「・・・へぇ」
「お前も混じればよかったのに」
指の間に挟まれていた煙草がジリジリと燃え尽きている。今灰が落ちた。
つま先の尖ったγの靴、その直ぐ側に落ちる。
「お前は何してたんだ」
「白蘭さんに会ってたんですよ」
「・・・へぇ」
「別に、あんたの事話してたわけじゃない」
「そいつは、残念だ」
なぁ
。
すれ違い様γが
の頭に手を置き軽く撫でた。
その刹那全身を襲った寒気、そうして鳥肌。
床を叩く鋭利な音が遠ざかるにつれ振り返る事が怖ろしくなった。
あの足音が止まったのならばその時は振り返らなければならないのだろうか。
振り返るのか。振り返る事が出来るのだろうか。
あの、γが出て来たドアは未だ僅か開いていた。
久々の更新、γ。
お前は一体その部屋で何をしていたんだという