XANXUSは言う。

下らねぇと。
彼に言わせれば全てが下らないらしく
その中に自分も含まれているのだろうと何となく思っただけだ。
無駄口を叩かないようにじっと足元ばかりを見つめていれば
ふ、と影が重なる。
才能を見抜かれてはいないだろう。そう思う。
だから安堵していただけの話。

「来い、

相変わらずな視線のまま指示を出すXANXUSに
反抗する理由も見つからないわけだ。
只酷く珍しい事だと思いはしたがそれも口にはしない。
何も動かさない、どんなに些細な事でもだ。
何が生命線を握っているのかが分からないからだ。この男に限っては。


黙ってついて行けば見た事のない風景に差しかかる。
XANXUS所有のこの屋敷内において が行動する範囲は限られている。

「下らねぇ下らねぇと言っちゃあいるが」
「・・・」
「下らねぇ奴は置かねぇ」

XANXUSは言う。こちらに背を向けたまま。

「隠す必要はどこにもねぇなぁ、
「・・・」
まずは退屈から殺そうじゃねぇか

振り返る男の目に悪い遊びを確認する。
確実に自身の目で確認した事象しか
事実と認めないXANXUSらしいとは思った。
どこぞに隠されているであろうカメラ越しに
他の面子も状況を楽しんでいるのだろう。

「あたしは貴方を傷つけたくないわ」
「こいつは傑作だ!」

至極嬉しそうに叫んだXANXUSを見つめながら溜息を吐く。

まあ、よくある事ですよ。
調子に乗ったわけですよ、あたしが。
勘違い依然進行中(誰かトメテ!)