この身を捧げますと、





月に一度ある生理も、それに順ずる不安定さも全て下らない。
こんなものがあるからこそ足を引っ張られるのではないかと思うが、
こんなものがなければドフラミンゴと体液の交換をする事もないわけで、
やはり世の中は上手く出来ていないだなんて、不条理さを嘆く。


どうやら近々、大きな戦が勃発するらしい。
昨晩、既に出来上がったドフラミンゴが
上機嫌で口にしていた言葉からそれを読み取る。


あの男は決して一人では酒を飲まない。
値の張るシャンパンを二瓶ほど片手に持ち、 の部屋を覗き込む。
がいなければ大きな声で名を呼び、
が寝ていればお構いなしに入り込みたたき起こす。
この男の傍若無人さにはすっかり慣れてしまい、
今更驚く事もないのだが、少々面倒だとは思っている。


まあ、そんな感情がドフラミンゴに少しでも伝わっていればいいのだが、
生憎そんなに繊細ではないらしい。
だから、今まさに出先へ出向いて来いと平気な顔で言えるわけだ。
海軍本部になんて行きたくないんだけど。
がそう言えども、
資料を忘れて来たんだ、仕方がねぇだろう、
等と言いのけ電々虫は動きを止めた。


外に出る準備など何一つしていないわけで、
やれやれと溜息を吐きながら立ち上がる。
散らかった部屋は昨晩のままだ。
ドフラミンゴのシャツが床に落ちており、
その中に問題の書類が隠れていた。














「…ちょっ!」
「遅ぇんだよ、お前は」
「あんた、まだ酒が残ってるでしょ!?」
「そりゃ、知らねぇが」
「残ってるのよ!」


じゃなきゃ、こんな真似しないでしょうと言いながらも、
この男なら言いかねないとも思う。
ようやく海軍本部に到着し
(距離的なものもあり、夕暮れに突入する時間帯になった)
好奇の眼差しを受けながら、
時には以前こちらを捕らえようと狙っていた役職達と遭遇しながらも
ようやくドフラミンゴの元へ辿り着けばこの有様だ。


大会議室にはドフラミンゴの他、誰もおらず、
書類を持って来た意味はなかったと把握する。
こんな敵陣の真っ只中にいるわけだ。落ち着かない。
書類を渡し、さっさと帰ろうと踵を返せば、
背後から抱き締められ、目前でドアが閉まった。


「ヤメテよ!あんた、何考えてるの!?」
「誰もいねぇんだ、いいじゃねぇか」
「ここ、海軍本部よ!?」
「そうだな…おいおい 、どうしてこう面倒な服を着てきやがったんだ」
「あんたがこういう事をしないようによ!」
「守りにはいっちゃあ仕舞いだぜ、 …」


この男と触れ合い、堕落した生活を営む毎日に慣れきっているのだ。
産みの親は知らず、育ての親は死んだ。
それでも穏やかな田舎町だ、人々が総出で養ってくれ、
そろそろ恩返しをしようかという矢先に、このドフラミンゴがやって来た。
島自体を買収した彼は、一度だけ島を見て回り、
その際、 と顔を合わせた。


七武海がやって来るという話を受け、
戦々恐々としていた島民達を前にし、耳障りのいい言葉を発し、
最終的には を受け渡せという話に落ち着く。
これが最上の恩返しだと思っただけだ。
そうすれば皆の生活は豊かになり、島自体も守られる。
只、理由ばかりが分からなかった。


「ちょっと、ちょっと」
「!」
「そんな所でおっぱじめるのは止しなよ」


大きなテーブルに押し倒され、下着に手をかけられた瞬間、
ドアが僅かに開き、クザンの声が響き渡る。
今はいい所なんだ、邪魔なんてするんじゃねぇよ。
ドフラミンゴがそう言っている隙に、どうにか逃げ出した。
背後から待てだとか、逃げるなだとか。
ドフラミンゴの声が聞こえていたが無視だ。


乱れた衣服を直しもせず足早に出口へ向かっていれば、
刺激的な格好だねぇ、等とボルサリーノが笑うものだから、
二度とここへは来ないという意思を固めた。





黄猿(ボルサリーノ)を名前だけ出してみたんですが…
何故出したのと聞かれても明確な返答は出来ない!
しかし、ドフラの身長が分かった今、もう無理だよね…
いちゃつくなり、何するなり、ぶっちゃけ無理だよね…
なので、脳内変換して頂きたい。
脳内変換して書いておりますので。
2010/6/25

蝉丸/水珠