月光遊泳

誰だって心の中は見せやしない。
だからこんなにも寂しい気持ちを、誰かと分かち合う道理はないのだ。
深夜の街中を徘徊していれば虚に出くわしたり。
やれやれと呟きながら頼りない己に情けなさを抱く。
眠れない理由は恋しいから。
誰ってわけじゃあありませんよ、喜助はそう言い聞かす。
特定の相手だった場合情けなさは尚更増す。
どれくらい会っていないだろう。約束なんてしちゃいないぜ。


―阿呆だね、あんた
―知ってますよ、そんな事


どうして胸の奥に留まる記憶は色褪せないのだろう。
おかしくさえある、不思議でさえ。そうして気づいている。
どの道消えはしないのだ。忘れはしない。
あんたを想って泣いたところで、そう思う。
一人ぼっちになったのは自業自得なのだと。
己を追い詰めればそれで終わる。
フラフラと街を徘徊する喜助は気づいていない。何にも気づいていない。
は未だに抜け切れないでいる。未だに繋がってしまう。
微妙なズレを続けてしまったリンクは途切れなかった。


「な〜にやってんスか隊長」
「お空を見てるのさ、恋次」
「0番隊の奴ら、探してましたよ?」
「そうかい」


何故だかやけに空を見上げてしまう。
そんな癖に抗い切れないは今日も歪んだ空を見上げていた。

愛がねえ。
久々の喜助だっていうのに(何度目だ)
っていうかあんま意味がわからない・・・
むしろ主人公隊長なんだ。みたいな