いきものだから

子猫を抱き上げそうして陽に翳した。
一人ぼっちはとても淋しいもので
だから何かにつけ後付の理由なんてものを拵えるのだろう。
全てに希望があると思えばいい、そうして全てに光が届くと思えば。
届かれても困る部分もあるだろう。
じめじめと暗いままで十分な部分もあるのだろう。
あたしはなんてくだらないいきものなのだろう。


「噛んで」
「何で」
「印が欲しいから」
「ええよ」


無邪気に無謀な賭けに出た。勝機はない。
駆け引きを止めろと言われた。そんな気は毛頭。


「許して」
「何を」
「こんな、ボク、なんて」


笑ったギンを見つめそうして溜息を飲み込んだ。
くだらなさだけを山盛りにしてそうして楽しむ。
裸をさらすのもじきになれる、
僅かばかりの恥じらいを捨てずそうして股を開く。
間違いになんて最初から気づいている。気づいていながら後悔を望む。
後悔さえしていれば過ぎた結果に目を瞑る事が出来るからだ、
躊躇さえしない。戸惑いも捨てた。
愛は直に死ぬ。確実に死ぬ。あれはいきものだから。
だから絶対に死ぬ。終える。老える。


「明日がまた来るね」
「そやね」
「明後日もまた来るね」
「うん」


それがいいのか悪いのか、
にさえそんな事さえ分からない。
急速に生きそうしてとっとと終わってしまう愛がいいのか
ゆっくりでも生き長らえる愛がいいのか。
こんなどうでもいい事を考えている時点で仕様のない事態なのだから
は今日も愛に餌をくれてやった。

これは結構好きでした。何て。