いい男友達のようなものだ。
いいの意味は間違っているのかも知れない。
昔からよく知っていたこの男は一国一城の主となりはそこそこに。
大して昔とは変化のない毎日を送っている。
適齢期を過ぎた今でものうのうと遊んでいるこの男―
ドフラミンゴと毎度の転機(それは俗に言う別れの転機だ)
の度に顔を出すとの会話、
珍しく仕事染みた行為を行っているドフラミンゴを前には口を開く。
「聞いてんの?」
「あ?あー聞いてるぜ話せよ」
「何仕事なんかやってんのよあんた・・・」
「フフ、ほっとけ、」
書類片手に室内を徘徊するドフラミンゴはそう笑い、は溜息を吐いた。
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ドフラミンゴの言う事は確かに一理あると思えた。
何でもかんでも使い捨て、
一回ヤったらその女はお古、男だって同じじゃねェか、
要するに何を言いたいのかといえば別れに一々執着するなと。
貧乏臭ェ事言ってんじゃねェよもっと気楽にいこうぜ―
ドフラミンゴがベランダに出た。
はその後ろを追い話を続ける。
「一々ついて回るんじゃねェよお前、」
「話聞きなさいってばドフラミンゴ」
「うるせェな」
一回使えば全部仕舞い、生活必需品こそそれに該当すると。
服はいいんだよ靴も同じだ、けど女や男は使い捨て、
だったら妙な情も残らねェだろが。
ドフラミンゴの言う事は最もなのかも知れない。
裕福な国の裕福な支配者と裕福な国民、使い捨てで全部終わらせる。
「あんたはそれでいいだろうけど、」
「あ?」
「あたしは駄目なのよ、」
「まず見る目がねェ、」
「え?」
「節穴なんだよお前は、」
大体俺ほどの男目の前にして他の男の話かよ。
ペン先で指されたはドフラミンゴを見上げる。
昔からこの男の手口は分かっているのだ、
だからは視線を逸らさない。
案外気に入っているらしいこの状態この関係。
ドフラミンゴは好んでこの関係を壊さないだろう
にしてもこの関係を壊すつもりはないし
(やはり権力者と親しくしていれば相応の褒美にありつけるのだ)
使い捨ての関係など御免だ。
「何それ、」
「ん〜〜〜?」
「あんたが囲ってくれんの?」
ペンをくわえたドフラミンゴが一瞬咽る。
その様を見たは呆れたように笑い
そんなわけないでしょあんた対象外だわ、
生意気な口を。
少しだけ首を振ったドフラミンゴは何も言わず書類に目を落とした。
こういう関係が理想だと思うんだ