そして、ぼくは灰になる

なぁ、どうしてお前は今ここにいないのかな。


そんな詰まらない事を思いながら天井を見つめている。
今日は何故だか夜の音が聞こえず、余りにも静か過ぎるのだ。
静かさが膨らみ孤独を増やす。一人きりだと思わせる。
そもそも己の我を通し好きなようにしてきたのだ。
お前の事を思ってるから、だなんて都合のいい事を吐き捨て
要はから逃げ出しただけなのだ。


余りに真っ直ぐ、そうして真摯にこちらを見つめているが怖ろしかった。
あの感情を受け止めきれる事は出来ないだろう、そう思えたから。
それなのに今はどうだろう。
に会いたい、この腕の中に引き寄せたい。
一人になれば心がを求めてしまう。
正直、いざ一人にならなければこの気持ちは分からなかっただろう。
はまだ一人でいるのだろうか。
―いや、他の男と一緒にいるだろう。恐らくは。
最も悲観的な考えをしていれば落胆せずにすむものだから。


先日、の話を聞く気もなしに聞いてしまった。
坂東とが初めて出会った
ライブハウスにまだ出入りしているらしい。
それにしても。


なぁ、。どうしてお前は俺の隣にいないのかな。


あぁ、俺のせいか。
二人で聴いた古いレコードに傷が入ったのと同じように
二度と関係が戻らないというのならば捨ててしまわなければならない。
捨てる事が出来るというのならば。


それにしても離れてからこの心に気づくだなんて
それこそ古い映画のシナリオと同じだ。
陳腐。その一言に尽きる。
偶然を装いあのライブハウスに足を運んでみようか、
そんな考えが頭を過ぎった。
それでも今の自分では過去の思い出の場にさえ足を運ぶ事が出来ない。
何に縛られているのだろう、それは自分自身だ。


なぁ、
どうして俺はお前の側にいる事が出来なかったのかな。

死ぬほど久々の坂東。
というかヒロシ系が久々なのかな