そして僕とダンスを

遊びに出るのってあんまり好きじゃないんだよね。
そう言い笑った仙道は何故か我先にエスカレーターへ乗り込んでいる。
つい最近オープンしたショッピングモール、
その中に建てられたタワーはこの街一帯が見渡せると評判だ。
夜間はライトアップされ格好のデートスポットと化した。


只、流石に平日でもあり時間帯も時間帯だ(後一時間足らずで閉店になる)
人影は疎らであり丁度 と仙道だけになった。
前面がガラス張りになったタワーを
ぐんぐんと昇っていくエスカレーターは高い。


「よかったね、
「何が?」
「高いとこから世界が見えて」
「はい?」
「いつも見上げるばかりでしょ」
「あぁ、嫌味?」
「そう」


何の前触れもない仙道の言葉に面食らうのは毎度だ。
大体この男の背中ばかりを見ている。広い、広い背中だ。
そして低い声。その声が名を呼ぶ。ゆったりとした口調で。


「あ、ホラ。あそこ学校」
「えぇ?全然見えないんだけど」
「コンタクトしてないの?」
「いや、してるけど」


ようやくエスカレーターが終わり360度見渡せるフロアに出た。
数組のカップルが目に付く。
突然大きな男が出現したものだから皆驚いていた。
やはりどこにいても目立つ。仙道は。


「ねぇ
「何?」
「これってデートになるの?」
「えぇ?」
「俺らいい感じじゃない?」
「うーん」
「て言うか俺の事好きでしょう」


又しても面食らう展開だ。
こちらを見ないまま仙道が喋っている。
ああ、この為にわざわざ誘い出したのかと理解した。
しかし何故告白させようと誘うのか。


「あんたって凄い自信家よね」
「そうかなぁ」
「そうよ。普通言わないわよ?俺の事好きでしょうとか」
「でも、そうでしょ」
「・・・まぁーね」
「ホラ」
「ホラって」
「やっぱ、誘ったんでしょ?」


踏み出せない理由は只一つ、数年越しの彼女の存在。
その彼女とどうなっているかは分からない。
それに仙道の思惑も分からない。故の誘いか。
こちらから一方的に誘えば仙道に不利はない。


「・・・どういうつもりなの?」
「うーん」
「いいの?」
「いいんじゃないかな」
「どうするのよ彼女」
「別れる?」
「何で疑問系?本当に別れんの?信用出来ない言葉ナンバーワンよ」


仙道が笑った。苦笑に近い。
仕方ない男だと思い も笑った。

何年ぶりだ仙道、むしろスラムダンク。
この前カラオケに行った時、
友人が『あなただ◎見つめてる』歌った際見た
アニメの動画により触発?
仙道、いい男だよねー