ぬるく、おちる。

ぐっと腕を伸ばしの肩を掴む。
彼女が振り向く前に強く引き寄せた。
自分でしながらも、何だかどこかで見た事がある光景だと思った。
デジャヴというやつだ。
訝しげにこちらを見るに何でもねぇよと呟き、
それでも思い出そうと記憶を探る。
出ては来なかった。記憶なんてそんなもんだ。


「どっか行こうぜ」
「どこによ」
「なんかねぇのかよ、行きてぇ場所とか」
「海じゃないとこ」
「そいつは残念だ」


唐突にどこかに行きたいと言い出したローは笑う。
そもそも今この船は大海原のど真ん中にいるというのに、
一体どこに行くというのか。
四六時中海ばかりを見て、
敵船も海軍も来ないものだからこの男は酷く退屈してしまっている。
次の目的地に到着するまでにはまだ三日ほど時間がかかる。


「あんたの退屈凌ぎにはなんないわよ、あたし」
「ストリップでもするか」
「しないわよ」
「見せるモンがねぇもんな」
「…ない事ないわよ…」


どうだか。
そう呟きローがの服をたくし上げるものだから
思わず声を上げてしまう。
こんな他愛もない日々を送るものだとは思っていなかった。


先々日もたまたま遭遇した名もない海賊船が襲い掛かってきたものだから、
退屈していたロー率いる船員達は意気揚々と迎え撃った。
乱れ飛ぶ声を耳にしながら
気まぐれにあの男が作ったコーヒーを飲んでいたは、
この夜は長くなると思いながら目を閉じる。
負けるなんて思いは当然過ぎらず、
テンションの上がったローは上機嫌で戻ってくるのだろう、
そう思いシャワーでも浴びておくかと思った。


「…まぁ、いいんじゃないの?たまには暇でも」
「老け込むぜ」
「あんたもね」


の言葉に答えないローは手を離しベッドに寝転び、
枕を掴みゴロゴロと寝返りを打っている。
案外可愛い事は伝えないでおいた。

超、超超久々の更新はローでした。
本当みなさま申し訳ないです…
次のWJ、OPはどんな展開なのか。