グリース

あの女がお前の事を捜していたぜ。
ドフラミンゴはそう言い、
何があったんだよと下卑た笑みを浮かべる。
テメエなんかに話す道理はねえ、
クロコダイルがそう言えば、そいつはその通りだと笑う。
毎度ながら飄々としているこの男は気分が悪いし、
そもそもここ最近は気分の良い試しがないのだ。


「あの女はテメエのか?」
「どうだろうがテメエには関係がねぇな」
「断言しねぇトコを見ると大事なモンらしいな」
「黙らねぇと殺すぜ」
「フ、図星か。ガキだなテメエは」


思わず視線を寄越せばニヤつくドフラミンゴの顔があり、
こんなにも下らない挑発に乗りかけた自身を恥じた。
長い、長い通路を抜ければ
が捜し回っているのであろう町並みが見渡せる。
背後のまるでハイエナを一刻も早く置き去り、
歩みを進めなければならない。


「なぁ、あいつは何の能力者だ?」
「知るか」
「知らねぇわけがねぇだろうが。
テメエが打算もなしに誰かと存在出来るはずがねえ」


それとも何か。
ドフラミンゴは笑う。笑いながら急所を突く。


「耄碌して、似合わねえ真似でもしてんのか」


挑発するのはドフラミンゴの悪い癖で、
そんなものに一々付き合ってはいられない。
何事にも理由があれば皆、納得する、理知的だと安堵する。
間抜け呼ばわりされたくないからだ。
感情に流されるような間抜けだと思われたくないからだ。


「いい趣味してるじゃねぇか」


見直したぜ。
だからといって、この男ほど開けっ広げなのもどうかと思い、
クロコダイルは眉間に皺を寄せる。

ここ最近の本誌にドキドキしっぱなしだという。
クロコダイル、人間(?)味が出て来て
凄いステキ…可愛い…