リップサアビス

上手い下手で分けられるものではないと思うのは
だけではないはずだ。
只欲求を解消させる為だけの行為というには
余りにも執着が強すぎた。
他の女みたいにヤって、とっとと棄てたらどうよ淡口。
は内心そう思うが、 いざ交わればそんな虚栄など容易く崩れ去る。
彼が求めているのは、人肌やあたたかみなどの類ではない。
単に気持ちよさのみを欲しているだけなのだと。


「・・・ソコじゃねーよ」
「ん、」


不機嫌そうに髪を弄った淡口が、 僅かな熱交じりにそう呟いた。

そういえば彼は高校生でしたね