閉じられたドアの反響

熱ばかりを発散するこの身体が嫌いではあった。
腐る。だから虫が寄る。
生きるという事は腐るという事だ。
身体の消費期限は刻一刻と近づいてきているし新たに再生される事はない。
何れ自然に崩れ落ちる事が出来るのならば願ったり叶ったりにも拘らず
今は身体どころか心まで腐り堕ちる始末だ。
この腐った心を取り出しズタズタに引き裂いてやりたい。
そうすれば少なくともの気は晴れるだろう。要らないのだ。

「危なっかしい女だな」
「知ってる」
「寝首欠こうってのか」
「そうじゃないわ」
「俺ァ構わねェぜ」
「あたしは嫌よ」

は刀に手をかけたままぼんやりと月を見上げている。殺気を隠しもせずに。
おちおち寝てもいられない、そう判断したムゲンが部屋を出ようとすれば
行かないでと涙声が聞こえた。
地獄が手招きをしている様が見て取れた為足を止める事はしなかった。

ははははは!やっちまったよ!
まあドアっていうかふすまなんですがね。時代的に。
そうか。。。ムゲンはこういう感じか・・・(遠くを見たい日も有るさ)