冷たい刃は絶対零度

歯がゆくて仕様がなかっただけの話だと思った。
何が、だとか誰が、だとかそういうカテゴリの中には含まれない。
あえて一人に絞る事が出来ないのはその中に自分も含まれているからだ。
もしかしたら自分の話なのかも知れない。
それならば尚更歯がゆく思えサンジはタバコを取り出す。

よくない事を延々と続けてしまうのは悪癖だ。タバコにしたって同じ。
それでも止めるだなんて考えた試しもない。そんな選択肢は存在しない。

「あーちょっと。一本頂戴」
「いいよ」
「あんた何浮かない顔してんのよ」
「お前もな」

こちらを見ずにそう答えたサンジに対しむかつく男だわと呟いたがいる。
昨晩ゾロとそれこそ派手にやりあった女だ。
喧嘩の締めが結局セックスだなんてたかが知れている。
そうして全てのいざこざの音声が丸々筒抜けだった事実。
恥じも外聞も存在しなければいい。していないのだろう。

「な」
「?」
「お前、下品だよな」

心の底からの本音を吐き出せば最低の烙印を押し付けられた。
最低なのはお前も同じ。だからどうも思わない。

ううむ。久々の更新がこれか・・・