日溜りに落とした涙

行かないでと無様に縋ったまでだ。只それだけの事。
それだけの事ではあるがムゲンが特別に嫌がる事だ。
手を出した瞬間に答えは出ていた。
勢いよく振り払われた腕とそれに伴う鈍い痛み。
痛みは鈍くそうして重かった。
ガキにガキと言われる筋合いはないのだ。
ムゲンは幼い。
幼い彼にガキだと言われてしまう自分はどうなのだろう。
幼いのだろうか。淋しいのだ。
女でいたくないと思っていたのは物心ついてからずっとであり
ムゲンと出会ったからといってその思いが消え去ったわけではない。
そう願う。
出会い一つで簡単に左右されるほど簡単な人間ではないはずだ。
きっと。自分は。

「・・・泣くなよ」
「何よ」

泣くなよと小さく呟いたムゲンは数秒ばかりの間を持て余し去ってゆく。
どこへ行くかは分からないがあの男の事だ、
どうせ誰かを斬りにでも行くのだろう。
生きていく術、生きていく道理、生きていく意味。
そんな拙い思いを抱いたまま皆歩いていくのだろうか。

はは!名前変換ねえし!