あの時自分の背を追い泣いていたはどこに行ってしまったのだろう。
あの時死んでしまったのかも知れない。
償いをしたいわけではないのだ。
「どうしたんですか、一体」
「何の話よ。あんたに関係ないじゃない」
「そうですけど、ね」
あんたのせいで、いとも容易くそう言いきるの影が蠢く。
そう責める事はない、喜助は胸中でそう呟いた。
確かに、取り返しのつかない事をしてしまったのだ。
「一人で住んでるんですか?」
「関係ないじゃない」
「ずっと一人ですか」
「だったら、何?」
今更どんな面下げて会いに来たってのよ、は何も言わない。
もしかしたら喜助の思い込みなのかも知れない。
あの時は。事情があったから。
そんな事あたしに関係あるのかしら、ならそう言う。
きっと言う。
「待っててもらった、そう思うのは欺瞞ですか?」
「何の話?」
「、あンたはあたしを待ってた」
「いかれたの?とうとう」
「あたしはあンたを待ってた」
「都合のいい事言わないで!!」
あたしら二人でいても、いい事なんて一つもありませんでしたね、
そう呟く喜助の声は心なしか掠れている。
どうしていいのか、それさえ分からなくなってしまったは
唇をきつく噛み締め喜助に背を向けていた。
拍手御礼夢第五弾、やっぱり喜助。
引越し前だっつーのに辛気臭いね(常時)
まあ、この喜助さんはとんだ男なんですが。
まあいいか。(こんな書き手だよ)